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借地
「借地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
片ッ端から裁判して、出来る限りブル階級の家主、地主をたたきつけ、プロ階級の店子や
借地人の肩を持って、一日も早く昔の住民を落ち付かせて、家を建てさせ商売を始めさせ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ったので、町名を元園町という。明治八年、父が初めてここに家を建てた時には、百坪の
借地料が一円であったそうだ。 わたしが幼い頃の元園町は家並がまだ整わず、到ると....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
かさが増している。弁天寄りの沼地は埋め立てられて、そこに貸し長屋ができ、外国人の
借地を願い出るものが二、三十人にも及ぶと聞くようになった。吉田橋|架け替えの工事....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
居る青山高樹町の借家も、東京では田舎近い家で、草花位つくる余地はあった。然し借家
借地は気が置ける。彼も郷里の九州には父から譲られた少しばかりの田畑を有って居たが....
「春昼」より 著者:泉鏡花
炎がひらひら畔に立つ時分。 親仁殿、鍬をかついで、この坂下へ遣って来て、自分の
借地を、先ずならしかけたのでございます。 とッ様|昼上りにせっせえ、と小児が呼....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
尽く欧米人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、
借地人、借家人、小作人、下男、下女となって惴々焉憔々乎として哀みを乞うようになる....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
もう一人、女がいいなあ、そうだ房枝嬢がいい。二人で、これからすぐ城南へ出かけて、
借地の交渉をしてこよう。それから、何とかして、衣裳の方も東京で算段してこよう」 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
けエプソム・ダウンのコウスに沿った何英町という土地を細ぎりに借りて、当日じぶんの
借地へ自動車がとまるのを待って一車一日いくらと徴収し、多くはそれで一年の生計を立....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
すおまえの夜 女は孕むことを忘れ おれの精虫は尻尾を喪い ひろしまの中の煌めく租
借地 比治山公園の樹影にみごもる 原爆傷害調査委員会のアーチの灯が 離胎する高級....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
った。「だが今時分は己の女房がそいつをすっかり握ってるのだ。そして『遠眼鏡屋』は
借地権も暖簾も道具一式もすっかり売り払って、嬶どんは己と逢うためにそこを出ている....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
に舟と私は早速その所有主真上正房氏に会い、交渉すること僅か十五分間で、建物四棟と
借地二百六十坪の権利を三千八百円で買約した。それがすなわち現在中村屋の地で、今日....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とをおおかた思い浮べているのだろう。 静岡で家を新築する時のことであった。狭い
借地に家を建てるので、家を主とすれば庭なぞというようなものは造れない。そこで鶴見....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
った人が老松の生繁ったのを見て東海道の松並木のようだといいました。土井の邸跡で、
借地なのです。向い側は広い馬場でした。昔将軍がお鷹野のお小休に、食後の箸を落され....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
国では軍艦を上海港内へ碇泊させて居り、支那側では又そんな威嚇に一向お構い無く、租
借地を返せ! 特殊権益を返せ! と吼えているということや、等、々、々……書かなけ....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
ったので、町名を元園町という。明治八年、父が始めてここに家を建てた時には、百坪の
借地料が一円であったそうだが、今では一坪二十銭以上、場所に依ては一坪四十銭と称し....