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借家
「借家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ど待ち遠しいかね。」
「宮本さんじゃあるまいし、第一|家《いえ》を持つとしても、
借家《しゃくや》のないのに弱っているんです。現にこの前の日曜などにはあらかた市中....
「星座」より 著者:有島武郎
薄眼をしながらすましていた。
マラーは彼が宮殿と呼ぶ襤褸籠《ぼろかご》のような
借家の浴室で、湯にひたりながら書きものをしている。その眼の前の壁には、学校で使い....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
とまった、謡のままの山雀は、瓢箪を宿とする。こちとらの雀は、棟割長屋で、樋竹の相
借家だ。 腹が空くと、電信の針がねに一座ずらりと出て、ぽちぽちぽちと中空高く順....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
まったらしい。僕はこの「お師匠さん」の酒の上の悪かったのを覚えている。また小さい
借家にいても、二、三坪の庭に植木屋を入れ、冬などは実を持った青木の下に枯れ松葉を....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ま、あんな池はとっくにうまってしまいましたよ」 「じゃア、うまった跡にぐらつく安
借家が出来た、その二軒目だろう?」 「しどいわ、あなたは」と、ぶつ真似をして、「....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
広い空地があって其の中を一本の奇麗な道が三十間程続いてその向うに小ぢんまりとした
借家が両側に立ち並んでいました。駅へ出るには、細田氏はどうしてもこの道を歩かねば....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
手に纏いつかれぬよう捌きながら、なお少しこの若い生ものの魅力の精をば吸い取った。
借家を探しに行った父親の敬蔵が帰って来て雨上りの水泳場で父娘二人きりの夕飯が始ま....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
よ」 わたくしは雛妓に訳をざっと説明してから家の中を見廻して、「ですからここは
借家よ」と言った。 すると雛妓は、 「あたしも、洋行に一緒に行き度い。ぜひよ。....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、借地人、
借家人、小作人、下男、下女となって惴々焉憔々乎として哀みを乞うようになると予言し....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
のように、誰も彼を大事にするものはありませんでした。 ちょうどその頃、Yはその
借家のゴタゴタから問題を起こして拘引されました。それは大正八年の夏のことで、労働....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
二十八 「それでも、上杉先生の、詞成堂――台町の山の屋敷の庭続き崖下にある破
借家……矢野も二三度遊びに行ったね、あの塾の、小部屋小部屋に割居して、世間ものの....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
所も人手に渡った。謂うまでもなく四人の口を過ごしかねるようになったので、大根畠に
借家して半歳ばかり居食をしたが、見す見す体に鉋を懸けて削り失くすようなものである....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると
借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れてい....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
権利を主張して婢に十鞭ずつを与えた。 五人で一人の女を雇った。山査子の咲く古い
借家に。 五人は生活費を分担して居た。従って女の給金も頭分けにして払った。それ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の日記に、「公債を買ひたい買ひたいといふゆゑ周旋していよいよとなるといやになり、
借家を買ひたい買ひたいといふゆゑ周旋していよいよとなるとこれもまた二の足を踏む人....