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借家人
「借家人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借家人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
露国の主権に服従していた人々には、今度、独軍がワルシャワを占領するということは、
借家人が、いつの間にか、自分の家が売物に出ているのを知るのと、あまり変ったおどろ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
て来ると、間もなく労働紹介や身上相談と共に、市内各地に巡回の調停裁判所を設けて、
借家人と家主や地主の喧嘩をさばいてまわった。 家主や地主は、これを機会に焼けあ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、借地人、
借家人、小作人、下男、下女となって惴々焉憔々乎として哀みを乞うようになると予言し....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に近い方の一軒は塞がっていたが、となりの一軒は明いていた。 ふさがっている方の
借家人は矢田友之助という大蔵省の官吏であった。そのころは官吏とはいわない、官員と....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はロンドンじゅうにもめったにないというので、彼は相当に儲けて貸すことになったが、
借家人はけっして苦情を言わなかった。....
「作家的思想」より 著者:豊島与志雄
「罪と罰」―― 七月の初め、恐ろしく暑い時分の夕方ちかく、一人の青年が、
借家人から又借りしているS横町の小部屋から通りへ出て、何となく思い切り悪そうにの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》が聞こえた。扉《とびら》をたたく音がした。オイレル老人がはいって来た。親愛なる
借家人たちの邪魔をするのをていねいに詫《わ》びて、それから、よくやって来てくれた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
五階の小さいほうの部屋には、オーベルという電気職工が住んでいた。――この男は他の
借家人たちから孤立して暮らしていたが、それはけっして彼のせいではなかった。彼は平....
「早春」より 著者:豊島与志雄
家を一つ持っていたが、それを、親戚に頼んで、買って貰った。十万円になった。但し、
借家人がはいっているので、それが立退いて空け渡しするまでは、月々三千円ずつ貰うこ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると
借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れてい....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
賛成はしかねるが、次第によつては、眼をつぶつてもかまわぬような気がした。しかも、
借家人がいかにその義務を怠つても、家主から立退料をせしめることができる時代であつ....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
に近い方の一軒は塞がっていたが、となりの一軒は明いていた。 ふさがっている方の
借家人は矢田友之助という大蔵省の官吏であった。そのころは官吏とはいわない、官員と....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
です。現在、裁判所に提起される借家に関する事件の統計があるかというとない。例えば
借家人のほうから起こす訴訟の数はいったいどのくらいあるか、家主の起こす訴訟はどの....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
羽十尻、馬二疋 一躍二倍ないし五倍に引き上げんとしたもので、近ごろ強慾な家主が
借家人を馬鹿にして、無法な値上げを命ずるよりもいっそうはなはだしいものであった。....
「指環」より 著者:田中貢太郎
りで、軸らしい物もない。見た処どうしても空家としか思われない。電燈の点いたのは、
借家人が引越した時に、スイッチを切らずにそのままにしてあったのが、故障のために消....