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「借屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

借屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
れい》さんという娘は可なりの役を勤めていた士族の娘で、父親に先立たれて、五軒町の借屋に母親と一しょに住んでいる。しかし妙なことには、その家にお兄いさんというのが....
芽生」より 著者:島崎藤村
あった。この広い、掃除の届いた庭の内には、植木屋の母屋《もや》をはじめ、まだ他に借屋建《しゃくやだて》の家が二軒もあって、それが私達の住まおうとする家と、樹木を....
口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
本橋石町三丁目の小山屋弥兵衛方に落ちついた大石の一味は、あとでは、この旅館の裏に借屋住いをして、あの潜行運動を進めたのだったが、吉良のスパイが、その付近に出没す....
芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
かかろうとした。 「……おのれッ。キ……貴様はテキ屋の竜公……。コ……此奴は私の借屋に居やがって……家賃を溜めて……デ……出て行きやがらないんです。柔道で私を投....
独身」より 著者:森鴎外
直ぐの任地が新発田だったのだ。御承知のような土地柄だろう。裁判所の近処に、小さい借屋をして、下女を一人使っていた。同僚が妻を持てと勧めても、どうしても持たない。....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
しょぼしょぼの若旦那。 さて、お妻が、流れも流れ、お落ちも落ちた、奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十も年下の、炭屋だか、炭焼だかの息子と出来て、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
少いから、かくの始末。藍染川と、忍川の、晴れて逢っても浮名の流れる、茅町あたりの借屋に帰って、吉原がえりの外套を、今しがた脱いだところ。姓氏は矢野|弦光で、対手....
日記」より 著者:宮本百合子
ったばっかりなので、又私も少しは疲れて居るので、明日は飯坂へ行くことにする。前の借屋のことで車夫が来るので、俥を命じる。小さい行《こう》りを出して、それに荷をつ....
決闘場」より 著者:岡本かの子
立派な邸宅を持つ富豪は西へ、西南へと居を移した。ジョーン達の住んだロンドン東端の借屋は、余り遠くお顧客の庭から離れてしまった。で彼等は先月初めに西端の或る横町へ....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
名華族とて御殿に住居し美服、美食する者もあり、あるいは人足とて裏店《うらだな》に借屋して今日の衣食に差しつかえる者もあり、あるいは才智|逞《たくま》しゅうして役....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
のは数年前から警察や役場のお世話になって、今は在来の或る「特殊部落」に接した地に借屋住まいをなし、別に一つの部落をなして戸籍にも編入せられ、日雇その他の労働者と....