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借用
「借用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貉」より 著者:芥川竜之介
、八犬伝《はっけんでん》の中で、八百比丘尼妙椿《やおびくにみょうちん》を出すのに
借用した。が、垂仁朝《すいにんちょう》の貉は、ただ肚裡《とり》に明珠《めいしゆ》....
「星座」より 著者:有島武郎
といっては、鍵のかかるところに鍵をかって、本箱の上に自分のと別にしてならべてある
借用の書物を人見か柿江に頼んで返却してもらえばそれでいいのだった。彼は心の中にわ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を向いて、微笑んで、机の上の本を見た。何の書だか酒井蔵書の印が見える。真砂町から
借用のものであろう。 英吉は、火鉢越に覗きながら、その段は見るでもなく、 「年....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
やめ、あの大きな舞台の上に、道具方が自作した貧弱な受信機を、支配人が平身低頭して
借用したのを持ち出した。血の気の多い観客さえ、石のように黙りこくってその聴きづら....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
回した旅行中の見聞を、手当り次第に書きなぐるにあたって、この五色筆の名をちょっと
借用することにした。 わたしは初めて仙台の地を踏んだのではない。したがって、こ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、その陽気なり、働き通しじゃ。親仁殿は向顱巻、大肌脱で、精々と遣っていた処。大抵
借用分の地券面だけは、仕事が済んで、これから些とほまちに山を削ろうという料簡。ず....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
なしく帰ろう、と残念ながらまたきめ直した。 いよいよ船の出る前々日、次のような
借用証一枚に代えて、横浜までの二等切符を一枚、領事から受取った。 借....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
金はお預りしますまい。その代り品物の何と何とを持って行かれるか、その品目を書いた
借用証を一札入れていって下せえ。小山さんもそういわっしゃるだ」 臼井の眼が小山....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
かせ》の方は誰が見でも中年の東洋人《とうようじん》であるのに対し、ロザレの肉体を
借用している隆夫の方は、青い目玉がひどく落ちこみ、鼻は高くて山の背のように見え、....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
、金博士をおびき出すこと。 (二)あらゆる好餌を用意して、某国大使館の始末機関の
借用方に成功し、その上にて該機関を用いて金博士を始末すること。 ここに王水険博....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
た…… ロンドン駅についてから、彼は一旦警視庁の手に渡り、それからものものしい
借用証書に署名して、やっと放免された。 それから彼は、乗車賃の借りをかえすため....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
覚いたし度候へども、なにぶん路用に差支へ候、近ごろ無心の至りに候へども、金子二分
借用いたし度候、もつとも当大晦日までには相違なく返済いたすべく候、右の趣、御承知....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
算数学がいわゆる「虫喰い算」と称ばれるものである。 もちろん、一金五万円也、右
借用候事しかじかというような一本建の数値だけがあってそのうちの数字が虫に喰われて....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
はその一人で、実は越前大野郡の住人ですが、夜叉という名が面白いのでちょっとここへ
借用しました。この夜叉王は徹頭徹尾芸術本位の人で、頼家が亡びても驚かず、娘が死ん....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
演習第一日は車中で研究を行ない長春に着いた。車中で研究のため展望車の特別室を
借用することについて、満鉄嘱託将校に少なからぬ御迷惑をかけたことなど思い出される....