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「借銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

借銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
してもらって助かりました。君たちは本当にせぬかも知れぬが、自分の家では、昔からの借銭が残って月末のやりくりは大変であります。どっちの方が貧乏人なのか、わかったも....
古典風」より 著者:太宰治
器。 ○自転車一台購入。べつに使途なし。 ○もりたや女将《おかみ》に六百円手交。借銭は人生の義務か。 ○駱駝《らくだ》が針の穴をくぐるとは、それや無理な。出来ま....
虚構の春」より 著者:太宰治
三十種の事物について語れば、即時除名のこと。四十歳。五十歳。六十歳。白髪。老妻。借銭。仕事。子息令嬢の思想。満洲国。その他。』――あとの二つは、講談社の本の広告....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ねえんだ。こう暮れが押しつまっちゃ、人づきあいをよくしておかねえと、どこでだれに借銭しなくちゃならねえともかぎらねえからね。そのときの用心にと思って、ちょっとお....
去年」より 著者:伊藤左千夫
嗜好もそれと同じであるから苦しいのだ。嗜好に熱があるだけ苦しみも深い。 友人の借銭もじゅうぶんに消却し得ず、八人の子のしまつも安心されない間で、なおときどき無....
斜陽」より 著者:太宰治
仕入れしものなるに依って、質の値もおのずから、このように安いのである。 千円の借銭を解決せんとして、五円也。世の中に於ける、僕の実力、おおよそかくの如し。笑い....
帰去来」より 著者:太宰治
顔平伏、お耳につらきこと開陳、暫時、おゆるし被下度候。噂に依れば、このごろ又々、借銭の悪癖萌え出で、一面識なき名士などにまで、借銭の御申込、しかも犬の如き哀訴歎....
姥捨」より 著者:太宰治
嘉七は、閉口であった。 生きて、ふたたび、この女と暮して行く気はないのか。借銭、それも、義理のわるい借銭、これをどうする。汚名、半気ちがいとしての汚名、こ....
善蔵を思う」より 著者:太宰治
説を支持してくれていたのである。六年まえの病気のとき私は、ほうぼうから滅茶苦茶に借銭して、その後すこしずつお返ししても、未だに全部は返却することの出来ない始末な....
創生記」より 著者:太宰治
こんどこそ、お信じ下さい、と信じて下さるまい長兄のきびしさもどかしく思い、七日、借銭にてこの山奥の温泉に来り、なかば自炊、粗末の暮しはじめて、文字どおり着た切り....
俗天使」より 著者:太宰治
あるが、どっちも挨拶したことは無し、知らん振りであった。当時、私は朝から晩まで、借銭申し込みの手紙ばかり書いていた。いまだって、私はちっとも正直では無いが、あの....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
くなって、さて小留みもなく降頻る。戸外の寂寞しいほど燈の興は湧いて、血気の連中、借銭ばかりにして女房なし、河豚も鉄砲も、持って来い。……勢はさりながら、もの凄い....
南地心中」より 著者:泉鏡花
逢阪に店がある、餅屋の評判のお娘さん、御両親は、どちらも行方知れずなった、その借銭やら何やらで、苦労しなはる、あのお爺さんの孫や事まで、人に聞いて知ったよって....
困惑の弁」より 著者:太宰治
擦をはじめよ。必ず腹巻きをしなければいけない。ひとから金を借りるな。飢死するとも借銭はするな。世の中は、人を飢死させないようにできているものだ。安心するがいい。....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
往来していた旧友諸君と自然疎々しくなる傾きになってしまった。いわゆる「出来るだけ借銭をするのと同じように出来るだけ義理を欠く」方針の下に、東京に出て来て『ホトト....