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倣
「倣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
とを恥じた。同時にまた肉身の父を恥じる彼自身の心の卑しさを恥じた。国木田独歩を模
倣した彼の「自ら欺かざるの記」はその黄ばんだ罫紙《けいし》の一枚にこう言う一節を....
「弓町より」より 著者:石川啄木
自己の神経組織の不健全なことを心に誇る偽患者《にせかんじゃ》、ないしはそれらの模
倣者《もほうしゃ》等、すべて詩のために詩を書く種類の詩人は極力排斥すべきである。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
音の如く意味がない。面もまた面そのものには色の如く意味がない。然しながら形象の模
倣再現から這入ったこの芸術は永くその伝統から遁れ出ることが出来ないで、その色その....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
優れた教養に心を引かれ、しかしてそれを自分のものにしようと勉め、また昔の先覚者に
倣おうと努力した。その一例としてはルクレチウス(Lucrez 紀元前九九―五五年....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
人は、実に深遠な精神文化を生み出した民族であるが今日、寒帯民族のもつ機械文明を模
倣し成長せしめることに成功していない。白色人種は、物質文化の行き詰まりを一面に於....
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
少し立派な顔であれと願つたが、せつかくながら私の子は私の悪いところをことごとく模
倣しているようである。だから私は子に対していささかすまぬような気持ちを抱いている....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
「いや、能楽の方です。――大師匠方に内弟子の私たち。」 「老人の、あの苦心に見
倣え、と先生の命令で出向いています。」 と、斉しく深くした帽子を脱いで、お町に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
しつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、その行動は甚だ敏活、巧みにわれ等の事業を摸
倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、其伝播力、感染力は驚くべく強....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
地獄の釜も、按摩の怨念も、それから思着いたものだと思う。一国の美術家でさえ模
倣を行る、いわんや村の若衆においてをや、よくない真似をしたのである。 「ぼうぼう....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
風と外国の風景と光線の応用とが珍らしくって、評判だったものです。これを私の父が模
倣して浅草公園で興行しようと計画したことがありましたが都合でやめました。 明治....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、かえって福沢諭吉先生の開明的な思想に鞭撻されて欧化に憧れ、非常な勢いで西洋を模
倣し、家の柱などはドリックに削り、ベッドに寝る、バタを食べ、頭髪までも赤く縮らし....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
最も異風なるものは、サルベーション・アーミーと称するものなり。その組織全く軍制に
倣い、群を成し隊を成し、将あり佐あり、あるいは行軍しあるいは屯集し、もって布教伝....
「西航日録」より 著者:井上円了
も、むしろ東洋のアイルランドという方適当ならんか。余はわが邦人のアイルランド人に
倣わずして、英国人に
倣わんことを望む。かくして、アイルランド人の惰弱、不規律の結....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
して、在学児童わずかに四十万八千人なりという。衣食住のごときはもっぱらパリの風に
倣い、外面華美を競うも、内容これに伴わず。その嗜好するところは俗に走りて雅を欠き....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、一九二三年発行カモン将軍の『ナポレオンの戦争方式』には「一八七〇年以後は普軍に
倣う風盛んで、先ずホーエンローネー、ゴルツ、ブルーメー、シェルフ、メッケル等が研....