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「値打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

値打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ていた。葉子はこの家に持ち込まれている幅物《ふくもの》を見て回っても、ほんとうの値打ちがどれほどのものだかさらに見当がつかなかった。ただあるべき所にそういう物の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
値段との相談ですよ、中身は善いか悪いか知りませんが、あの表装だけでも三歩や一両の値打ちはありますからね。して見れば、中身は反古《ほご》だって損はない筈です。わた....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
実際には起こり得ないと、非実際なるを嗤ったが、今日原子爆弾によってその研究報告の値打ちが燦然と光を増したわけである。 八月三十一日 ◯あの日以来読んだ本。杉本....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
瞳を黒く強調させて云った。 「あなたは金魚屋さんの息子さんの癖に、ほんとに金魚の値打ちをご承知ないのよ。金魚のために人間が生き死にした例がいくつもあるのよ」 ....
食魔」より 著者:岡本かの子
を潤し剰り今や身体の全面にまでにじみ出して来るのを艶やかに感ずる。金目がかかり、値打ちのある肉体になったように感ずる。心の底に押籠められながら焦々した怒ろしい想....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それと反対に老人はいよいよ落ちついていた。こういう話はひとを焦らしているところが値打ちだといったような顔をしているのが、きょうは少し憎らしいようにも思われて来た....
怪星ガン」より 著者:海野十三
かいふくしているのではないかと思ったのである。 「なるほど。無電連絡をこころみる値打ちはあるようだ」 テッド隊長は、ふたたび無電係を呼んで、こんどは『宇宙の女....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いて戴き度う存じます。さもないと、すべてが一|篇のお伽噺のように見えて、さっぱり値打ちがないものになりそうでございます。 それはそうと、私達がその時面会した天....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
づいた時、最初に隠れたのは原稿担当者、続いて逃げたのは資本であった。結果は一銭の値打ちもない三人だけが残った。創始の時がすでに時勢に背いたので、失敗の時は話にも....
秋深き」より 著者:織田作之助
んにその人がわかりますのねえ」 私はむかむかッとして来た、筆蹟くらいで、人間の値打ちがわかってたまるものか、近頃の女はなぜこんな風に、なにかと言えば教養だとか....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
になった。それが「黒船話」である。遠いむかしに書いたものだなどというと、なんだか値打ちが下がるようにも思われたので、その時にはほんとうの新作のような顔をしていた....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
訊きました。正月も二十日過ぎです。 「僕はある点無茶な男でね。これが一番人生で、値打ちがあると信じたことに向っては、万事を放擲して目的に取り組む。普段は随分打算....
葉と幹」より 著者:小川未明
ない。おまえたちぐらいの葉は、この山にざらにあるじゃないか。人間どもは、俺の姿を値打ちにしようと思っているのだ。」と、幹は葉を冷笑しました。 「しかし、私たちは....
天下一品」より 著者:小川未明
り大きすぎて入らなかったからであります。 「あの仏像が、金であったら、たいへんな値打ちのものだろうが、どうせそんなものでないにはきまっている。それに手が欠けてい....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
」と言ったとしたら、その言葉は零です。 人間は乳首を銜えて腹匍っているところに値打ちがあるのではありません。ここでまた料理の味の話に戻れば、生の野菜の味は、あ....