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倥
「倥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倥の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
い返す。さて一|頁《ページ》から順々に見て行くと皆陣中の出来事のみである。しかも
倥偬《こうそう》の際に分陰《ふんいん》を偸《ぬす》んで記しつけたものと見えて大概....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
一致を欠き、ついに種々の政弊を世人に認めしむるに至る。 西南の役に当たり兵馬|
倥偬の際に、矯激の建白書を捧げ、平和の手段をもって暗に薩州の叛軍に応じたるかの土....
「不審庵」より 著者:太宰治
客共に清雅の和楽を尽すものは、じつに茶道に如くはなかるべしと被存候。往昔、兵馬|
倥※武門勇を競い、風流まったく廃せられし時と雖も、ひとり茶道のみは残りて存し、よ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
も無かった。憐《あわ》れみの一片が投げあたえられたのであったかも知れない。兵馬|
倥偬《こうそう》のあいだには遊びに来る子供も見えなかった。人の住んでいない家はあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か、やがては花の九重の都に至り上ることはわかっておりますが、天子の都も、今は兵馬
倥偬《へいばこうそう》の塵に汚れていると聞きました、その戦塵の中へ、かよわいかた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の熊本の細川の藩士で甲というのがしきりに、王城内で一つの書き物を見ている――兵馬
倥偬《へいばこうそう》の間《かん》に、ともかく墨のついたものに一心に見惚れている....