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倦怠
「倦怠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倦怠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
意識を超越するのを常としている。
×
幸福は苦痛を伴い、平和は
倦怠《けんたい》を伴うとすれば、――?
×
自己を弁護すること....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
分たちの鼓膜《こまく》を刺戟すべく、余りに深刻なものであった。だからその時間中、
倦怠《けんたい》に
倦怠を重ねた自分たちの中には、無遠慮な欠伸《あくび》の声を洩ら....
「路上」より 著者:芥川竜之介
た。俊助ははなはだ同情のない眼で、しばらくそれらの表題を見廻していたが、やがて「
倦怠《けんたい》」――大井篤夫《おおいあつお》と云う一行の文字にぶつかると、急に....
「早春」より 著者:芥川竜之介
対する諦《あき》らめに似たものに充たされている。彼もあらゆる男性のように三重子に
倦怠《けんたい》を感じ出したのであろうか? けれども捲怠を生ずるためには同一のも....
「或る女」より 著者:有島武郎
の波と空の雲とはあっても、詩人でもないなべての船客は、それらに対して途方に暮れた
倦怠《けんたい》の視線を投げるばかりだった。地上の生活からすっかり遮断《しゃだん....
「或る女」より 著者:有島武郎
ような、肉ばかりになったような極端な神経の混乱、そしてそのあとに続く死滅と同然の
倦怠《けんたい》疲労。人間が有する生命力をどん底からためし試みるそういう虐待が日....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
回見廻ることもある。夜は疲労して座に堪えなくなる。朝起きては、身の内の各部に疼痛
倦怠を覚え、その業に堪え難き思いがするものの、常よりも快美に進む食事を取りつつひ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のは道理があると合点がゆく。金があって才能が平凡だったら勢いああしてわずかに生の
倦怠からのがれるほかはあるまいとひそかに同情さえされぬではない。その人たちが生に....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
。 要するに我々の人生はこれを芸術的に見れば数限りもない無意味な偶然と、無聊と
倦怠と、停滞と混沌と、平凡にして単調なる、あるいは喧騒にしていとうべきことの無限....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ことを教えてあげるわ。――恋をしなさい。あなた方が恋をすれば、それこそ、あらゆる
倦怠と閑暇を利用して、清らかに恋し合えるじゃないの。あらゆる悩みなんか、皆んなそ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
な足取りで歩きながら、こうした人々の心に不快と、忿怒と、なんとはなしに悩ましげな
倦怠とを播いて行った。ローマに於いてすら、なお悲痛な顔をしているこのラザルスを見....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
の心もちと、不思議な位似つかわしい景色だった。私の頭の中には云いようのない疲労と
倦怠とが、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落していた。私は外套のポッケッ....
「狂女」より 著者:秋田滋
ものは譫言ばかり云いつづけていた。やがて、この烈しい発作がおさまると、こんどは、
倦怠とでも云うのだろう、どうやら静かな症状がつづいて、さしもの彼女もあまり動かな....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
とが、ちょうど毎晩同じ劇場へはいって芝居を観る者に起きるように、私の心をとうとう
倦怠と嫌悪の巣にしてしまった。 私は三十年このかた来る日も来る日も同じ時刻に臥....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れ、 きらめく楼閣は流れる雲間にうかび、 雲はたえず夏空に照りはえていた。 ――
倦怠の城 ハドソン河の河幅がひろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジー....