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倹約
「倹約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倹約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《まめ》を噛《か》んで古人を罵るのを快としている。わたしは彼の煎り豆を噛んだのは
倹約の為と信じていたものの、彼の古人を罵ったのは何の為か一向わからなかった。しか....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、二人で引き籠もっておりますが。……菜大根、茄子などは料理に醤油が費え、だという
倹約で、葱、韮、大蒜、辣薤と申す五|薀の類を、空地中に、植え込んで、塩で弁ずるの....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
呂の流し水は何かのわけで、洗い物がよく落ちる、それに新たに湯を沸かす手数と、薪の
倹約とができるので、田舎のたまかな家ではよくやる事だ。この夜おとよは下心あって自....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
後、スナワチ午前四時ニ行ウベシ。貴局ノ都合如何」 相手「応諾。当方ハ此後ノ通信ヲ
倹約セザルベカラズ。電源ノ消耗ト、更ニ急報スベキ事件ノ発生ヲ予期スレバナリ」 僕....
「地球盗難」より 著者:海野十三
辺で勘弁してくれたまえ。俺のロケットの電池は、電圧がウンと下ってきたのだ。すこし
倹約しないと、地球へ帰りつくまで保たないかもしれないからネ」 宇宙を走る佐々砲....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
。 「レーダーによっても手がかりなしだった。しかし大佐どの。われわれはレーダーを
倹約したのではなく、当局から捜査依頼のあった日からきょう貴隊にあうまでの二百日ほ....
「火星探険」より 著者:海野十三
さまに治療費を払ったので、残りのお金もとぼしくなった。とにかくこれからはお互いに
倹約してやっていかないと、果して目的のコロラド大峡谷まで行けるかどうか、安心はな....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
るだけふせぐことにした。 また容器に残っている酸素の量をくわしく調べ、もっとも
倹約して、生きていられるだけの酸素をすって、何時間呼吸をつづけられるかを計算した....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
上へ、お仏像と先祖代々の位牌を飾って、今朝も手向けた一|銭蝋燭も、三分一が処で、
倹約で消した、糸心のあと、ちょんぼりと黒いのを背に、日だけはよく当る、そこで、破....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
抜写しであった。無論ドコの貸本屋にも有る珍らしくないものであったが、ただ本の価を
倹約するばかりでなく、一つはそれが趣味であったのだ。私の外曾祖父の家にも(今では....
「迷信解」より 著者:井上円了
く、幸福のみをうくることはできぬ。ただ、富を得んと思わば労苦をいとわず、辛抱して
倹約するがよし、知識を得ようと思わば、学問を勉強するがよい。そのほかに富貴、知識....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
正味十一円こっきりの身代ではなかったが、割合に気楽な官吏の生活を送ったものが多年
倹約して剰した蓄財を日に日に減らして行くは、骨を削り肉を刻むに等しい堪えがたい苦....
「西航日録」より 著者:井上円了
に着す。寓所を公使館の近街に定む。これよりロンドンにとどまること二週余、もっぱら
倹約を守る。 紳士洋行漫費銭、僕貧難伍此同連、船乗二等車三等、止酒禁煙
倹約専。 ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
衣をかぶりて、寺院に往復する一事なり。この風はスペインの古俗を伝え、そのはじめは
倹約の主旨より起これりという。第二は、電車の車掌の多数は女子なること。これ、先年....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
仕事をしさえすればいいのだ。またたく間に彼は救われるのだ――僕はまた、以前よりは
倹約家になった…… 不幸なことに不健康という嫉妬ぶかい悪魔が僕の行く手を妨げに....