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偃月
「偃月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偃月の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
りてくるようにと、天がうるさがるほど祈った。気が狂ったようになり、揺れているその
偃月刀の方へ向って自分の体を上げようともがいた。それからまた急に静かになって、子....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
置かれてあるところの、古い異国の神像や、耳環や木乃伊や椰子の実や、土耳古製らしい
偃月刀や、亜剌比亜人の巻くターバンの片や、中身のなくなっている酒の瓶や、刺繍した....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
のは神へお祈りでもするのであろう。 オンコッコは力をこめてジョン少年の胸の辺を
偃月刀で突き刺そうとした。とにわかに手が麻痺れた。 「お待ちなされい!」と沈着い....
「雪の宿り」より 著者:神西清
福寺の方角にはまだ何事もないらしい様子を見澄まし、折からの闇にまぎれて、すばやく
偃月橋よりお二方ともお落し申上げました。 残りました手の者たちとわたくしは、百....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
。……誰が刳ったのでございましょう? 青々と光るものがある! 鉛で作った大形の、
偃月刀でございます。柄に鏤めたは月長石と、雲母石とでございました。それで刳ったの....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
。縅の糸のやや古びた、源平時代の鎧甲、宝石をちりばめた印度風の太刀、磨ぎ澄ました
偃月刀、南洋産らしい鸚鵡の剥製、どこかの国の国王が、冠っていたらしい黄金の冠、黒....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ている。 その傷は極めて異様なもので、左の耳の後から咽喉仏《のどぼとけ》の方へ
偃月形《みかづきがた》に弧を描いて刎《は》ねあげられている。ひといきに頸動脈をふ....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
や熊笹の繁茂している所がままあるが、展望を妨げるようなことは少しもない、間もなく
偃月形をなしているかなりの大残雪を蹈んで、七時五分に絶巓の三角点址に達した、絶巓....
「三国志」より 著者:吉川英治
、張飛も、何気なく眼をそれへはせて振向くと、胸まである黒髯を春風になぶらせ、腰に
偃月刀の佩環を戛々とひびかせながら、手には緋総のついた鯨鞭を持った偉丈夫が、その....
「三国志」より 著者:吉川英治
みえる。――そのすがたにぶんと風を生じたかと思うと、漆艶の黒鹿毛と、陽にきらめく
偃月の青龍刀は、 「うごくな! 片眼」 と、ひと声|吼えておどりかかって来た。....
「三国志」より 著者:吉川英治
わけには参らん。さてさてつらき御命をうけて来られたもの哉――」 と、はや小脇の
偃月刀を持ち直して身がまえた。 「否、否、疑うをやめ給え」と、張遼はあわてて弁明....
「三国志」より 著者:吉川英治
雪か人馬かと見紛うばかりな鉄甲陣。そのまっ先に進んでくるのはまぎれもなし、青龍の
偃月刀をひっさげ、駿足|赤兎馬に踏みまたがって来る美髯将軍――関羽であった。 「....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 はっと、色を変じながら、関羽は席から突っ立った。そして周倉に持たせておいた
偃月の青龍刀を引ったくるように取ると、 「周倉、だまれっ。これは国家の重大事であ....
「三国志」より 著者:吉川英治
えたるか、徐晃」 関羽が左の臂の矢瘡は、いまは全く癒えたかに見えるが、その手に
偃月の大青龍刀を握るのは、病後久しぶりであった。 「徐晃はお避けなさい」 関平....