偃月刀[語句情報] » 偃月刀

「偃月刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偃月刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
りてくるようにと、天がうるさがるほど祈った。気が狂ったようになり、揺れているその偃月刀の方へ向って自分の体を上げようともがいた。それからまた急に静かになって、子....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
置かれてあるところの、古い異国の神像や、耳環や木乃伊や椰子の実や、土耳古製らしい偃月刀や、亜剌比亜人の巻くターバンの片や、中身のなくなっている酒の瓶や、刺繍した....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
のは神へお祈りでもするのであろう。 オンコッコは力をこめてジョン少年の胸の辺を偃月刀で突き刺そうとした。とにわかに手が麻痺れた。 「お待ちなされい!」と沈着い....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
。……誰が刳ったのでございましょう? 青々と光るものがある! 鉛で作った大形の、偃月刀でございます。柄に鏤めたは月長石と、雲母石とでございました。それで刳ったの....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
。縅の糸のやや古びた、源平時代の鎧甲、宝石をちりばめた印度風の太刀、磨ぎ澄ました偃月刀、南洋産らしい鸚鵡の剥製、どこかの国の国王が、冠っていたらしい黄金の冠、黒....
三国志」より 著者:吉川英治
、張飛も、何気なく眼をそれへはせて振向くと、胸まである黒髯を春風になぶらせ、腰に偃月刀の佩環を戛々とひびかせながら、手には緋総のついた鯨鞭を持った偉丈夫が、その....
三国志」より 著者:吉川英治
をおさせ申しましょうほどに。――どうぞお嘆きなく。……では、おさらば」 青龍の偃月刀を掻いよせて立つと、二夫人は外門のほとりまで送ってでた。関羽は赤兎馬に打ち....
三国志」より 著者:吉川英治
わけには参らん。さてさてつらき御命をうけて来られたもの哉――」 と、はや小脇の偃月刀を持ち直して身がまえた。 「否、否、疑うをやめ給え」と、張遼はあわてて弁明....
三国志」より 著者:吉川英治
雪か人馬かと見紛うばかりな鉄甲陣。そのまっ先に進んでくるのはまぎれもなし、青龍の偃月刀をひっさげ、駿足|赤兎馬に踏みまたがって来る美髯将軍――関羽であった。 「....
三国志」より 著者:吉川英治
じと鉄桶の構えを備えていたのであるが、関羽の右手に、見る眼もくらむばかりな大反の偃月刀が持たれていることと、また片手に魯粛がつかまれているのを見て、 「待て」 ....
三国志」より 著者:吉川英治
兵だぞ」 すでに矢風は急雨のごとく身辺をかすめていた。 かねての覚悟、関羽は偃月刀を馬上に持ち直して、 「関平、道をひらけ」 といった。 「父上、こうお進....