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「偉容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偉容の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
八十八夜」より 著者:太宰治
って、 「すげえなあ。」 「荘厳ね。」と、その一団の青年、少女、口々に、駒が岳の偉容を賞讃した。 八が岳ではないのである。駒が岳であった。笠井さんは、少し救わ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
代の汚点《しみ》で喰い荒され、外面はすでにボロボロに欠け落ちていて、わずかにその偉容だけが、崩壊を防ぎ止めているように思われた。そして、全体が漆《うるし》のよう....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ガラス越しにあざやかに見えた。 このページェントが非常時の東京市民にわが海軍の偉容を示して、心強さと頼もしさを吹き込むという効果を持ったであろうという事には少....
地球要塞」より 著者:海野十三
たんに、私の頭の中に入ってきた光景は、前方千メートル位のところに並んだ米連艦隊の偉容であった。クロクロ島を中心にして、ぐるっと取り巻いている様子である。なんとい....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
野を走るが如き観をなせり。山もとより少なからず、しかも変幻出没して雲表に豪然たる偉容を作れるは少なし。中国の山は立てり、東北の山は横はれり、紫苑の花萩の花女郎花....
国立国会図書館」より 著者:中井正一
返して見たいと考えたのであった。その後一年の今、二十四の図書館が、アメリカにない偉容をもって各省その他(学術会議をもふくめて)にできて、三百八十万冊の図書館資料....
組織としての図書館へ」より 著者:中井正一
中の王国の中に、数々の王国が、数十年の一つ一つの伝統をもって、各々巍然としてその偉容をととのえたのであった。それは味もあれば、香りもある機構であったであろう。 ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
。 綾麻呂 都の奴等がいくら偉そうにわめき立てたところで、この素晴しい不尽ヶ嶺の偉容を仰いだものは一人もおらんのだ。……どうだ! あの天の果までとどくばかりの噴....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
である。これが潮に押され、漸時に速力を集めて、一国の興廃を担った連合艦隊のような偉容をもって進出し、漂流するのだ。 寒い日が続くと、驚く程南までやって来る。事....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
とであろう。上州人は赤城山について、知り抜いている。しかし、わが村から仰ぐ赤城の偉容は、わが村人だけが知っている姿だ。 上新田から望んだ赤城の嶺には、東から長....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
やえざ》きもあって、その満開《まんかい》を望むと吾人《ごじん》はいつも、その花の偉容《いよう》、その花の華麗《かれい》に驚嘆《きょうたん》を禁じ得ない。 牡丹....
図書館協会六十周年に寄せて」より 著者:中井正一
って、敏活な委員会をもってつながるとき、私は東亜十ヵ国の人々に、読書を通じてその偉容を誇り、何人の前にも恥ずることなき文化の一等国への道をきり開くことができるの....
料理と食器」より 著者:北大路魯山人
に食器をみると、その料理の内容までほぼ推察がつく。中国食器の絢爛たる色彩と外観の偉容と、西洋食器の白色一点ばりの清浄主義と、日本食器の内容的な雅味とは、それぞれ....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
下一品と叫ばざるを得ないのである。 東京築地の魚河岸における朝の生簀には、その偉容、実に横綱玉錦といった風な面構えをもって、水底に悠然たる落着きを見せている。....
日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
ば之は大へん後れた非近世的社会機構であったのだが、併し後れたままに一人前の近世的偉容を有った近代国家機構であったのだ。つまり日本は、支那にもどこにもこれ程大規模....