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偉観
「偉観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偉観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
には密林の形容が具わってきて、朴訥《ぼくとつ》な信心深い杣人《そまびと》のような
偉観が、すでに動かしがたいものとなってしまった。 したがって、異常とか病的傾向....
「階段」より 著者:海野十三
階建ての真四角な鉄骨貼りの煉瓦の建物が五つ六つ押しならんでいるところは、まことに
偉観であった。僕は第二号館にある物理部へ編入せられ九坪ほどの自室と、先輩の四宮理....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
、榊原康政は肥後の加藤清正に手紙で報告して居るが、多少のミソはあるにしても、其の
偉観想い見る可しだ。 秀吉は同夜の十時に、全軍に令して一斉射撃で城中を威嚇して....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
井から十メートルほど下にあり、パイプを組立てたような構造ではあったが、なかなかの
偉観であった。しかもこの吊り橋を、天井の偉大さにくらべると、まるで講堂の天井に、....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
頑丈な幹と、黒曜石のような黒い葉とで、周囲をグルリと取り巻いているのは、まさしく
偉観と云ってよかった。で、この場の風景は、こんなように形容することが出来る。大森....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ばこの市場の販売力は、北京住民の必需品の約四割を占めるということであったが、その
偉観には私も思わず驚嘆の声を発した。当時私は小売店の死命を制する百店貨に対して真....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
見るといつせいに引き揚げてさらに他の作に群つて行く状は凄愴とも何とも形容を絶した
偉観である。 したがつて読物のほうは十や二十駄作の連発をやつてもたちまち生命に....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
日本のどの都市にも遜色がないであらう。市役所前から名古屋駅頭まで、断続しつゝある
偉観は、大した自慢にはならぬが、それ自身として、すばらしいものである。その夜店に....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
第三に、貴ぶべき示唆を受けることは出来ない。あたかも雲に聳ゆる高塔を仰いで、その
偉観に感激せずにはいられないとしても、さて、どういう足場を組んで、そんな高いもの....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
、松平氏が川越へ避難してから廃城となり、その後十九年間、城内は荒れるに任せ、昔の
偉観なく廃墟の姿となったのである。 従って、厩橋の城下もさびれてしまった。多く....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
木が鬱蒼と、東は愛宕町から西は赤羽橋まで昔のままに生い茂っていたならば、東京の一
偉観であったであろうと思う。それが今では増上寺の御廟と言っても殆ど知らぬ人が多い....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
ば、岩燕や雷鳥でも躊躇するだろう、何だか形容のしようもない。今眼前|咫尺に、この
偉観に接した自分は、一種の魔力に魅せられてか、覚えずあっとしたまま、暫時言葉も出....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
一 層雲峡の
偉観 富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大さを語れ。 ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
〇四年皇帝の位に即き、英国侵入計画は着々として進捗、その綜合的大計画は真に天下の
偉観であった。これは今日ヒットラーの試みと対比して無限の興味を覚える。 海軍の....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
る巨岩の堆積は、山頂稀に睹る荒寥|跌宕の風物でなければならぬ。之に加うるに海内の
偉観と称せらるる眺望の壮大と広闊とを合せ有している。此山上に取り残されて小さな自....