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「偏する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偏するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
、それは何から始まったかとたびたび考えてみる。それで私は尊敬する人について少しく偏するかも知れませぬが、もし偏しておったならばそのようにご裁判を願います、けれど....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
たり、また縫い初められる、そのとき鳥の形が、農鳥山の頂上より、直下、少しも左右に偏することなく、胸壁の上に印せられるので、この鳥形が見え初めると、農にかかるから....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
較的少なく、ドイツその他の北欧の諸民族は、ほとんど北種間のみの混血で、現実主義に偏する傾向が顕著である。殊にヨーロッパでは強力な国家が狭小な地域に密集して永い間....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
ュアーの巻頭の紹介欄のようなものでもかなり便利である。たとえいくらか批評の見地が偏する恐れはあっても、利害を離れたそれぞれの専門家の忠実な紹介である限り、勝手の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一見したのでは五十にも六十にも見えるが――この青年は、何か特別の学問か、思想かに偏することがあって、その周囲の文明を厭《いと》うて、そうして、わざとこの孤島を選....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。 例えば社会の治安を目的とする法律にしても、そはあまりに、違反者の制裁にのみ偏する傾向があると思う。法律は懲罰的であると同時に、救治的であらねばならぬ。然る....
アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
、普通学の素養などは強要しない。ことに彼の経験では有為な徹底的な人間は往々一方に偏する傾向があるというのである。従って中等学校では生徒がある特殊な専門に入るだけ....
学校の説」より 著者:福沢諭吉
万国の歴史を読み、治乱興廃の事跡を明らかにし、此彼《しひ》相比較せざれば、一方に偏するの弊を生じ、事にあたりて所置を錯《あやま》ること多し。他人の常言も我耳に新....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
学を除いては総ての研究は空理であるといいつつも科学にもまた不満足であって、科学に偏するスペンサーの哲学の如きも或る程度以上は決して推服していなかった。かつ常に曰....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
る多数の浮世絵師の如きは全くこれを顧みざりしといへども決して一派一流の画家にのみ偏する事なく広く各派の一般を見しかして後《のち》常に見識ある美術史家のなすが如く....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て一定すること難きをもって、その論あるいは保守の一方に偏し、あるいは改進の一方に偏するを免れず。このときに当たり、人もしその中正を保たんとするときは、その勢い保....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
存在している。私は良寛様の書道が一方的な型趣味に囚われないこと、すなわち僧侶型に偏するところなく、自由の見解から芸術書道を研究し、それを自己の趣味とされた点を語....
東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
いたん》に過ぎぬとはいいながら、人間の性質のもと円満なりしものが今日の如く一方に偏するに至った説明としては教訓多き物語である。人間の説明としては疑わしいが、これ....
比較科学論」より 著者:中谷宇吉郎
な形の研究という考えが、その基調をなしている。 それから、現代の科学が、分析に偏する傾向が強いことも、時折指摘されていた。それに対して、「綜合《そうごう》の物....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
性癖や地位や境遇やによっておのずから規制せられるものである以上、その記録には必ず偏するところがあり必ず僻するところがあり、またその多くは何らかの誤謬を含んでいる....