偏在[語句情報] » 偏在

「偏在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偏在の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が宙に浮ぶと、具足全体の重心が、その上方へ移ってしまう。のみならず、それが一方に偏在してしまうのだ。だいたい、静止している物体が自働的に運動を起す場合というのは....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
しまう点にあったのだ。それは鉄芯の温度なんだよ、元来蝋燭の芯は穴の左右いずれかに偏在しているものなのだから、ああ云う太い鉄芯で際まで燃えてくると、それから先は鉄....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
べき中等学校とは、それほど不つり合いではないらしい、単に受験生が或る特定の学校に偏在するに過ぎないのだから、社会の階級的施設としては、今日中等学校の数は却って理....
婦人作家」より 著者:宮本百合子
日本の絶対主義的支配に対する批判、戦争という事実が示す階級社会の富と正義・文化の偏在などに対するヒューマニスティックな検討の自由さえも、ねこそぎ抑圧されることに....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
いうことを説明してくれた。それによると戦時利得税は、戦争によって国内に生じた富の偏在を調整するために、少からぬ道徳的な意味をも含んだ性質のものの筈である。誰が考....
世界の寡婦」より 著者:宮本百合子
じないからこそである。使えるうちに使っているからである。そして、ますます悪循環と偏在とを招いている。 世界の婦人たちが、世界の未亡人の問題を、単にそれら不幸な....
社会時評」より 著者:戸坂潤
由競争激化の結果、排他的思想を醸成し階級対立観念を醸成すること(※)、(三)富の偏在、(四)国家的統制力の弱小、などであるという。 之に臨む経済対策は、国防上....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
だふ》を起たしむる概あるものには無之候哉。 なほ又、当時、日本の人物は西南にのみ偏在するかの如く見る者有之やうに候へ共、北東の地また決して人材に乏しきものに非ず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、小粒《こつぶ》に替え、銭にかえたら幾ら――西暦一九三三年前後、世界各国が、金の偏在と欠乏に苦しんで、それぞれ国家が金の輸出を禁止し、日本の国に於ても、公定相場....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
アジアの発掘ということは世界に動搖を与えた学術上の大事件であります。日本は東方に偏在しているのでそんなことには関係ないであろうというように考えられるかも知れぬが....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いて、慧海仁広稽首百拝して大恩師釈迦牟尼如来に念願し奉る。仏法もとより無碍にして偏在なしといえども、衆生の業力異なるに従いて仏教者中にその偏在を見るは遺憾の至り....