偏奇[語句情報] » 偏奇

「偏奇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偏奇の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
影響で、ぼくは別荘の坊ちゃんとしての我儘《わがまま》なしたいほうだいを止めて、執偏奇的な宗教家、神秘家になりました。ぼくは現実に神をみたのです。一方、豆本熱は病....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ことを記さねばならない。それは、中世楽器や福音書写本、それに古代時計に関する彼の偏奇な趣味が端緒となったものであるが、その――恐らく外部からは手を尽し得る限りと....
道標」より 著者:宮本百合子
のびやかに、解放された。特に男たちから、伸子と素子との表面の暮しのかげに、なにか偏奇なグロテスクなものでもありそうにのぞきこまれる苦痛がなくなった。それに抵抗し....
ソヴェトの芝居」より 著者:宮本百合子
の現実とメイエルホリドが独特性としている芸術理解の特色=極端な様式化と構成派風な偏奇さ、誇張、一種の病的さなどが労働と互にどういう関係において発展してゆくかとい....
歴史の落穂」より 著者:宮本百合子
認めている。荷風にあっては、それに侮蔑の代りに歌を添えるところが異っている。身は偏奇館、あるいは葷斎堂に住して、病を愛撫し、「身を落す」自傷を愛撫し、しかしそれ....
討論に即しての感想」より 著者:宮本百合子
がよく分ります。ブルジョア作家が狭い「私」的環境に止められて、僅かな感情冒険だの偏奇の誇張などにエネルギーをついやしている時、少くとも現在民主的作家は、政治的活....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
というのだ。淋しくしみ/″\と妻を抱きしめる気持になれたのだ。何たる没情。何たる偏奇。新らしい陶器を買っても、それを壊して継目を合せて、そこに金のとめ鎹が百足の....
蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
あり、蜘蛛を好む者は性格的に強者であると、そういうことが云われないものだろうか。偏奇な趣味の対象としては、蜘蛛は余りに多くのものを持っていると、蜘蛛好きな私は勝手な考え方をしたいのである。....
恐怖の季節」より 著者:三好十郎
よりもズット世態人情の真に近く、本式の芸術的鍛錬を経たものです。また、久生十蘭の偏奇は時に鼻に来るにしても、とにかく本物であって、田村泰次郎や三島由紀夫などより....