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偏窟
「偏窟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偏窟の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
少し真面目《まじめ》になったかね」とおとなしく受けるし、彼が須永に「君はますます
偏窟《へんくつ》に傾くじゃないか」と調戯《からか》っても、須永は「どうも自分なが....
「道草」より 著者:夏目漱石
を買って上げるよ」と口癖《くちくせ》のようにいっていた。そうかと思うと、「こんな
偏窟《へんくつ》じゃこの子はとても物にゃならない」ともいった。健三は姉の昔の言葉....
「李陵」より 著者:中島敦
き合いの悪い男、議論においてけっして他人《ひと》に負けない男、たかだか強情我慢の
偏窟人《へんくつじん》としてしか知られていなかった。彼が腐刑《ふけい》に遇《あ》....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
なア」 竹村もそんなことをいう気分になった。 「今更じゃないよ、自分だって相当
偏窟のくせに」 「なに」 そして竹村は小さなコマを、盤にめりこますように力を入....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らしい、それが欧羅巴の文明というものを究《きわ》め尽しての結論だと面白いが、ただ
偏窟な哲学者の独断では困る」 「わたくしは
偏窟人です、世間並みの風俗思想には堪え....
「実感」より 著者:織田作之助
素直にきいているうちにいつか二十九歳の老嬢になり秋は人一倍寂しかった。 父親は
偏窟の一言居士で家業の宿屋より新聞投書にのぼせ、字の巧い文子はその清書をしながら....
「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
して、かえってその凡俗を容るることはできずして、大切なる教育を孤立せしめ、自から
偏窟に陥りたるものといわざるをえず。自今以後とても、教育家がこの辺に心付かずして....
「教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
るのであろうと思う。 然るに今日では妙に窮窟なることになっていて、世の中に一種
偏窟な人があれば、「あれはちょっと学者風だ」というが、実は人を馬鹿にした話である....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れる。 だが足立源五は、さきにここへ使いして追払われた同僚から、あいては稀代な
偏窟者だぞと、あらかじめ脅されてきたことである。翻弄にあまんじる用意は顔にできて....