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偖
「偖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
「エヽ、今日少しな、訳が有って三藏どんが己《おら》が処《とけ》え頭を下げて来て、
偖《さて》作右衞門どん、何《ど》うも他《た》の者に話をしては迚《とて》も埓《らち....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ると思った通り廊下であるが、此の廊下はダラダラと雪崩の様に向うの方へ傾いて居る。
偖《さて》は穴倉へでも通じて居るのかそれとも下の室へ出られるのかと、下へ下へと降....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
。 で、純八は座敷へ請じて、茶を淹れ斎を進めたりして、懇に僧を待遇したが、 「
偖、ご老僧、承わり度いは、歳の字と才の字の異弁でござるが、拙者、先日迄、才の字こ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
うして曇天降雨の時には、更に一層分泌が多い。乾燥の時低温の時、分泌量が減少する。
偖、次は製薬法だ。壺から竹の皮へ移さなければならない。これへ小量の種油を雑ぜる。....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
っていない個所を注意した。右に対する返事、 拝啓 其後は御無沙汰にのみ打過申候
偖小生今月十七日より北陸漫遊の途に上り漸く今日帰京御手紙の御返事相おくれ申訳これ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
せん。これから仇討出立に相成りますが、一寸一息つきまして。 十二
偖お話は二に分れまして、水司又市は恋の遺恨で中根善之進を討って立退きました。本は....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
は終った。其の日は三時半で一統に仕事をやめ、其処此処と残したところに手を入れて、
偖て会社から検査員の来るのを待つ計りになった。私はかの二重底から数多の仲間と甲板....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
霧陰伊香保湯煙 三遊亭圓朝 鈴木行三校訂・編纂 一
偖、お話も次第に申し尽し、種切れに相成りましたから、何か好い種を買出したいと存じ....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
したと云うのだろう」お清は呆れて了った。老母と細君は顔見合して黙っている。真蔵は
偖は愈々と思ったが今日見た事を打明けるだけは矢張見合わした。つまり真蔵にはそうま....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
老体を持ちながらそれ程の働きの出来た所を見ると、確かに居合は名人であったらしい。
偖、それほどの剣技を持ち、加之忍術の達人たる彼九郎右衛門は其壮年時代を――特に海....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
、昨夜婢の亡霊が窓を破って忍び入り、三右衛門を喰い殺したというのである。―― 「
偖はそういう幽霊であったか。杖を遺したのが誤りであったが、夫れも止むを得ない因縁....
「菜の花物語」より 著者:児玉花外
む京都地方では、四季に空に日在って雨降る夕立を呼んで、これを狐の嫁入と言う、……
偖は今見たのは狐の嫁入でなかったろうか? 後に黄な菜の花が芬々と烈しく匂うていた....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
火の何より早く立ちぬるは 雨のあがりと雨気つくころ ね心の悪き夜ならば雨と知れ
偖ては盗人油断ばしすな 右の歌によって、天気の晴雨を知ることができる。また、俗....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
、諸君も、私に敗けないだけに研究して置いて、その首を取戻して行かんといけないね。
偖て、それではこれから……」 笠松博士は、半分ほども銀色の白毛の混っている長い....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
郎は重三郎を連れて矢切山へ乗込み、刀の詮議をいたすという、一寸一息致しましょう。
偖も稻垣小左衞門は、家来の丈助と共に葛飾の真間の根本へ参りまして、荒物渡世をいた....