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健か
「健か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
健かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
鳴は滝)小さな滝の名所があるのに対して、これを義経の人待石と称うるのである。行歩
健かに先立って来たのが、あるき悩んだ久我どのの姫君――北の方を、乳母の十郎|権の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
最初の御出産で、お喜びの余りか、英臣さんは現に貴女の御父上だ。 貞造は、無事に
健かに産れた児の顔を一目見ると、安心をして、貴女の七夜の御祝いに酔ったのがお残懐....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の事である。この子は、母の乳が、肉と血を与えた。いま一樹の手に、ふっくりと、且つ
健かに育っている。 不思議に、一人だけ生命を助かった女が、震災の、あの劫火....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
針金のごときが五六本短く生いたり。継はぎの股引膝までして、毛脛細く瘠せたれども、
健かに。谷を攀じ、峰にのぼり、森の中をくぐりなどして、杖をもつかで、見めぐるにぞ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
お馬丁は小腰をゆするが、蘆毛よ。(振向く)お厩が近うなって、和どのの足はいよいよ
健かに軽いなあ。この裏坂を帰らいでも、正面の石段、一飛びに翼の生じた勢じゃ。ほう....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
女なれば、今なお恙なかるべし。 小親いまだその頃は、牛若の役勤めていつ。銀六も
健かに演劇の真似して、われは哀なる鞠唄うたいつつ、しのぶと踊などしたりし折なり。....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
たのは意外だった。迎えてくれたのは、三十四五の、涼しそうな髭を立てた、見るからに
健かそうな和服姿の紳士だった。 「先生は?」 「イヤ、僕ですよ」 「あ、そうです....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
じ姿勢で立ち続けるよりも、歩いて体を運動させた方が余計に私の体をうまく調節させて
健かになれるので、無意識ではあれ、自然と歩き出したのです。それを反射運動とか、本....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
葉をふみて公園をめぐるに、美術学校の生徒らしきが画架など携えてゆくを見る。英一も
健かならば、来年はかくあるべきものをと、またしても眼瞼の重きをおぼゆ。 払へども....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っていた。伝兵衛はもう六十と云っていたが、身の丈も高く、頬の肉も豊かで、見るから
健かな、いかにも温和らしい福相をそなえた老人であった。 旅絵師も自分のゆく先を....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
ことは、もちろん議論の余地はあるが、少なくとも現代人の生活に根をおろし、そこから
健かに伸び育ったというものは、ごくわずかしかない。 演劇のほとんどすべてが、興....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
には気が付かぬかな?」 「はい」とお菊は艶かに笑い、 「かえってこの頃お殿様はお
健かにおなり遊ばしました。以前は夜などお苦しそうで容易にお睡り遊ばさず、徹夜した....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
きが二人に女が四人という、まことに変わった一団であって、武士はいずれも年が若く、
健かで美貌であるらしく、頭巾で顔をこそ包んでいるがお小姓じみたところがあった。緑....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
これは何をおっしゃることやらとんと私には解りませぬ。私の実の父も母も飯田の城下に
健かに現在も生活しておりますものを、臨終の妄執だの亡魂だのと、埒もないことを仰せ....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
たえそうにもない。これに反しデューラーのマリアは貧しい頭巾をかぶっているが乳房は
健かにふくれ、その手はひびが切れてあれているがしっかりと子どもを抱くに足り、おし....