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健やか
「健やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
健やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いいおじいさんの話」より 著者:小川未明
れて見えるおじいさんの清らかな目をうつしながら、 「どの人が生まれてくるときも、
健やかに、平和に育つようにと思って、心配するかしれません。そして、親たちは、みん....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
したというのみのこと、伝染るのを恐れて、投げ入れられましたなれど、実はこのとおり
健やかなのでございますから」 女の心臓が、横蔵のそれほど、激しく鼓動してないこ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いのだよ。寄宿舎を出てしまうと同時に、彼には幻視も幻聴も現われなくなり、間もなく
健やかな青春を取り戻すことが出来たのだからね。ねえ熊城君、君は刑法家じゃないのだ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の詞を堰き止めた。 なる程、此は脆過ぎまする。 女たちは、板屋に戻っても、長く、
健やかな喜びを、皆して語って居た。 全く些しの悪意もまじえずに、言いたいままの気....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
けしめ給わんことを。かくて、よき事のみ汝の上にあらんことを。願わくは、汝いよいよ
健やかにして還り、わが歓びを大ならしめよ」もう一つ、ロバアト・セシルからの手紙が....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
岩田君の立場からいえば、なんという幸運なことであろう。たゞ、結果としては、今や、
健やかに伸び育つた巴絵さんのうちに、亡きマリイ夫人と、同じく亡き数に入つた静子夫....
「光は影を」より 著者:岸田国士
受けます。あなたは、青空と、木の葉と、匂う風と、日光と、そして、僕の愛によつて、
健やかな肉体と、爽やかな魂とを再びあなたのものとすることができる。僕がそれを保証....
「二老人」より 著者:国木田独歩
こともない体《てい》。 老人の前を幾組かの人が通った。老えるも若きも、病めるも
健やかなるも。されどたれあってこの老人を気に留める者もなく、老人もまた人が通ろう....
「競漕」より 著者:久米正雄
老将というような概があった。 十時近くなると皆は五分ずつバック台をやってそして
健やかな眠りについた。久野だけが永い間眠らなかった。彼はまだ脚本を書き了えなかっ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る。いま私は私自身の内面を検査してそれらの外道を発見し、わが道を直くし、わが歩を
健やかにすることを企てたいと思う。 一 調和の信仰について 私らは世....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
「実質的価値の倫理学」とは相違した立場であるが、それにもかかわらず、深い内面性と
健やかな合理的意志と、ならびに活きた人生の生命的交感とをもって、よく倫理学の本質....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
であり、もしあるなら人類は衰亡に向かったものである。夢見る、理想主義の青年のみが
健やかなる青年であり、次代を荷い、つくる青年なのである。 まして学窓にあるほど....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
数日前から手紙も出すようになったようなわけなので御無沙汰をお許し下さい。あなたは
健やかで仕事に励んでいられるそうで喜びます。私は一時はずいぶん苦しみましたが、こ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
らしき感情の操練として、いささかも頽廃、麻痺、歪曲したところがなく、まっすぐな、
健やかな、浪曼的精神の基調に立っているものだ。この浪曼的精神の健康児として育てら....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。直毘(直び)とはおのずからな働きを示した古い言葉で、その力はよく直くし、よく
健やかにし、よく破り、よく改めるをいう。国学者の身震いはそこから生まれて来ている....