健勝[語句情報] » 健勝

「健勝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

健勝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
ることだし、ばかにするな。いったい、どうしたというのだ。ばか。」 「拝啓。益々御健勝の段慶賀の至りに存じます。さて今回本紙に左の題材にて貴下の御寄稿をお願い致し....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
て襖が開くと、老人が姿を現わした。 「おお卜伝か、よく参ったな」 「謙信公にはご健勝、恭悦至極に存じます」 「もっと進め、遠慮はいらぬ」 「愚老遠慮は大嫌い、ハ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が、いずれじゃ」 「へえへえ。三ツ屋の亭主ならば手前でござります。いつもながら御健勝に渡らせられまして、廓内の者一統悦ばしき儀にござります。近頃は一向イタチの道....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
呼びかけました。 「源七郎|君におわしまするか。土州にござります。いつもながら御健勝に渡らせられまして、恐悦に存じまする……」 「おお、土佐侯でござったか。いや....
八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
。駕寵の垂は巻いてあった。駕籠の中には吉良左京之進の姿があった。 「五月氏か、御健勝で」 新三郎はその声を耳にすると共に、ばったり倒れて死んでしまった。 八....
丹下左膳」より 著者:林不忘
それへ手をついた玄心斎、雪のような白髪の頭を低めて、 「殿には、いつに変わらず御健勝の体《てい》を拝し……」 「挨拶などいらぬ。なんの用でまいったと言うに」 「....
石狩川」より 著者:本庄陸男
すみ出た神山外記が云うのであった。 「ご存じよりの通り、わが殿、久々のご帰館、ご健勝の体を拝し、よろこびに堪えません、身どもらこの日をどれほどお待ち申したことで....
宵(一幕)」より 著者:宮本百合子
で。(以下文面) 拝啓、朝夕は風も身にしみる時節となりました。先生は相変らず御健勝、御活動のことと大慶に存じ上げます。さて、いつぞや御来診を願いまして、本意を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ながめると、気分が発散しないという限りもない。 「鐚か――まあ、入れ」 「まず御健勝、金主、一万両――宝の入船――鐚の計画、ことごとく成就《じょうじゅ》、近来の....
丹下左膳」より 著者:林不忘
おり、両手をついて、泰軒のまえに頭をさげている。 「御無沙汰いたしております。御健勝で、何より……」 ていねいな挨拶です。不思議といえば不思議だが、考えてみれ....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
来たのは、両国橋にいた老人であった。 「おおこれは京師殿」 「甲斐守殿、いつもご健勝で」 二人は叮嚀に会釈した。 「さて」と京師殿は話し出した。「銅銭会の会員....
良夜」より 著者:饗庭篁村
は凱旋の将の如く得々として伯父より譲られたる銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健勝で」と言うまでは勇気ありしが、この暇乞の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべか....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
便りに、いつもお元気の体を拝察して欣《よろこ》ばしく存じておりましたが、いつもご健勝で何より。その節はいろいろとお世話に相成りまして有難うございました。この度は....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
いた。私は、地下足袋もぬがないうちに框に腰かけたまま、それを読んだ。 前略、御健勝の由慶賀に存じ候。さりながら自今御窮迫との御事、それしきの境遇苦慮するに足ら....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
りしているのをみて、ハラ/\して、店の者まで注意してくれたりした人だ。今もって御健勝の由慶福のことである。服部時計店はやはり四丁目でないと板につかない。ここはも....