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健在
「健在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
健在の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
者、――ショオペンハウエルの輩《はい》とは交際せず。
問 ショオペンハウエルは
健在なりや?
答 彼は目下《もっか》心霊的厭世主義を樹立し、自活する可否を論じ....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
たように、今は佐世保《させほ》に住んでいる妹の消息を話題にした。
「千枝子さんも
健在《たっしゃ》だろうね。」
「ああ、この頃はずっと達者のようだ。あいつも東京に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
たが、俊助の顔を見るなりにやにや笑い出して、
「どうした。この間の晩の美人たちは
健在か。」と、逆に冷評を浴びせかけた。
二人のまわりには大勢の学生たちが、狭い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に堪えよ、と母子の上に袖笠して、遠音に観世ものの囃子の声を打聞かせたまうらんよ。
健在なれ、御身等、今若、牛若、生立てよ、と窃に河野の一門を呪って、主税は袂から戛....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
思う。それはおそかれ早かれ共産国と民主国との戦争になるからだ。そのとき日本がもし
健在ならば、いやでもおうでもどちらかにつかねばならぬようにされるだろう。自分はど....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
発) ・大型焼夷弾。(炸薬も相当入っている) ◯徹ちゃんはどうしているか? まだ
健在ならば、今夜は勇躍、敵機動部隊へ突込むだろう。飛行機が焼かれていれば口惜しい....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
ま。あなたは山ノ井君ですね」 「そうです、山ノ井です」 「もう一人の川上一郎君は
健在ですか」 「はあ、
健在です」 「では、川上君にちょっとテレビへ出てもらって、....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
「艇は無事だそうです。私は児玉法学士に会って、それを聞きました」 「望月大尉は
健在か」 「はい、大尉も、電信員の川上少年も、軽傷を負っているだけで、まず大丈夫....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
みたいな男だ。川上――というと俺のことだが、川上とはまるで違った種類の男だ。彼が
健在であることは帝国海軍にとっても喜ばしいことだなどと、大いに聞かされちまった」....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
水の底を捜したら、渠がためにこがれ死をしたと言う、久能谷の庵室の客も、其処に
健在であろうも知れぬ。 否、
健在ならばという心で、君とそのみるめおひせば四方の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
電燈の月も明石ヶ浦、どんなもんだ唐人、と太平楽で煩っていたのも、密に柳屋のお夏を
健在、と思っての事であった。」 いいかけて寂しく笑った、要するに記者の凡ての言....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
物真似テケレッツのパアは寄宿舎の評判であった。嵯峨の屋は今は六十何歳の老年でマダ
健在であるが、あのムッツリした朴々たる君子がテケレッツのパアでステテコ気分を盛ん....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いように思っていたと、二葉亭自身の口から聞いた。 二葉亭の伯父で今なお名古屋に
健在する後藤老人は西南の役に招集されて、後に内相として辣腕を揮った大浦兼武(当時....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
す。竹園さんはその後夭折され、梅園さん、絵専の中井宗太郎教授の姉さんは今もなお御
健在です。思えば瞼に写る走馬燈は限りない絵草子を拡げます。 (昭和十一年)....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
遠い、請う自愛せよ、ただただ君が極地の山頂にのぼるように望む。聖明の天子はいまも
健在である、一日も早く国旗をかの地にたてて凱旋を奉上されよ。) 一行は南緯七十....