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「側か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

側かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
母さんったら。――甲野さん、ちょっと来て下さい。」 お鈴の声は「離れ」に近い縁側から響いて来るらしかった。甲野はこの声を聞いた時、澄み渡った鏡に向ったまま、始....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
相違ないと云っていました。そのせいかお島婆さんは、毎晩二時の時計が鳴ると、裏の縁側から梯子《はしご》伝いに、竪川の中へ身を浸して、ずっぷり頭まで水に隠したまま、....
或る女」より 著者:有島武郎
けさ来たのとは違う、横浜生まれらしい、悪《わる》ずれのした中年の女中は、始めて縁側から立ち上がって小めんどうそうに葉子を畳廊下一つを隔てた隣の部屋に案内した。 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、そうですね。」 「おほほほ、話しが遠いわ。こっちへいらっしゃいよ。おほほほ、縁側から、縁側から。」 夫人がした通りに、茶棚の傍の襖口へ行きかけた主税は、(菅....
親子」より 著者:有島武郎
かさえ本当に彼にははっきりしていなかった。また彼の耳にはいる父の評判は、営業者の側から言われているものなのか、株主の側から言われているものなのか、それもよくはわ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
諸方の民族の伝説中で大洪水の伝説が顕著な役目をつとめている。これには科学者の側からも多大の注意を向けられている。最もよく知られているのは聖書に記された大洪水....
海異記」より 著者:泉鏡花
んなことをいうもんですか。」 「お浜ッ児にも内証だよ。」 と密と伸上ってまた縁側から納戸の母衣蚊帳を差覗く。 「嬰児が、何を知ってさ。」 「それでも夢に見て魘....
春昼」より 著者:泉鏡花
である。爾時、これから参ろうとする、前途の石段の真下の処へ、殆ど路の幅一杯に、両側から押被さった雑樹の中から、真向にぬっと、大な馬の顔がむくむくと湧いて出た。 ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
この蔽かぶさった、欅の葉の落ちますのです。それと知りつつ幾たびも気になっては、縁側から顔を出して植込の空を透かしては見い見いしました、」 と肩を落して、仰ぎ様....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
「まず、……極めつけたものよ。当人こう見えて、その実方角が分りません。一体、右側か側か。」と、とろりとして星を仰ぐ。 「大木戸から向って左側でございます、へ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
のせいじゃあないぞ、」 「三年先の烏のせい。」 甲走った早口に言い交わして、両側から二列に並んで遁げ出した。その西の手から東の手へ、一条の糸を渡したので町幅を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はどんなに深い統一に入っても、躯が残ります。いかに御本人が心で無と観じましても、側から観れば、その姿はチャーンと其所に見えて居ります。しかるに、こちらでは、真実....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
見做して、懲罰を加えんとするに至りては、愚にあらずんば正に冒涜である。われわれの側から観れば、かの堕落せる酔漢の類こそ、不良霊媒以上の精神異常者である。彼等が出....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
されたような心もちがして、思わずあたりを見まわすと、何時の間にか例の小娘が、向う側から席を私の隣へ移して、頻に窓を開けようとしている。が、重い硝子戸は中々思うよ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
等は大体それであり、また第二次欧州大戦に於てはヒットラーがそれであるが如くドイツ側から放送されているが、それは将来戦史的に充分検討を要する。 政戦両略を一人格....