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「側壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

側壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
んで河を見降ろした。この観台から真下のセーヌの両岸を眺めたとき、河そのものの石の側壁がすでに壮麗な一つの建築物だった。それはちょうど科学の粋を尽した白い戦艦が一....
怪星ガン」より 著者:海野十三
種類か」 テッド隊長は、こまかく気をつかった。 一行はでかけた。 司令艇の側壁の一部が、するすると動きだしたと思うと、それは引戸のように艇の外廓のなかにか....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
、――みんな工合がよくって元気でさあ。」 ※杖を肱の下にあて、片手を丸太小屋の側壁につけて、丘の頂に立ちながら、彼はこうぺらぺらとしゃべり続けたが、――声も、....
復活祭」より 著者:久生十蘭
の裏絹を、そここことひきよせながら骨を折ってとじつけていた。 鶴代は船室の鉄の側壁に凭れて眼を伏せた。小原の生活の裏にもやはり人知れぬ辛さがあるのだろう。もし....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
た。そのあたりは、水の色が青々として、いかにも深そうな見かけをしているが、それは側壁に繁茂した水藻の色なので、こんな底の浅い断層湖に吸込孔などあるわけはなかった....
動物園の一夜」より 著者:平林初之輔
とんど聞こえなくなる。 この時刻に、私は、いま言った橋の真下に、やもりのように側壁にぴったり身体《からだ》をつけて息を殺していた。橋の下のちょうどまん中の辺に....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ずにはいられませんでした。 私が道を降り切らぬうちに、二人とも曲り角で混凝土の側壁へ這い上がったのでしょう、やがて私にはわからぬ母国話で、嬌声を挙げながら、縺....
上海」より 著者:横光利一
は、河岸のパレス・ホテルへ着くと、ロビーの椅子に向い合った。大伽藍のように壮麗な側壁、天空を摸した高い天井、輝き渡った床と円柱、アフガンの厚ぼったい緋の絨氈。―....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
めて幾程もなく谷が迫って来たなと思うと、高くはないが続けさまに三つの瀑が現れた。側壁の岩に襞や皺が多いので、之を伝えば足場は確だ。其上は二町|許り雪渓が続いて、....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
くと、雨樋を竪てたような潜り戸の狭間が待ち構えていた。夫はがっくり落ち込んだ谷の側壁へ、譬えば大きな鑿で縦に溝を穿ったものと想像すれば大抵当っている。岩と岩との....