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側杖
「側杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
側杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
てきた。次の朝新聞を見ると、人殺しがあったのだった。私たちはよく別な事件のために
側杖《そばづえ》を食った。が、彼奴等はえてそんな事件を口実にして、「赤狩り」をや....
「嵐」より 著者:島崎藤村
じゃないか。次郎ちゃんに言って聞かせるのも、お前の役じゃないか。」 太郎はこの
側杖をくうと、持ち前のように口をとがらしたぎり、物も言わないで引き下がってしまっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が掻いて居るのを見たのは二月も後の事だった。喧嘩の仲入に駈けつけた隣の婆さんは、
側杖喰って右の手を痛めた。久さんのおかみは、詫び心に婆さん宅の竈の下など焚きなが....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ぎがあった。 双方ともに死傷十数名という激しいものだったが、その外に、運わるく
側杖をくって斬り倒された「モニカの千太郎」という街の不良少年があった。白塗りの救....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。
批評界全部が侮辱を感じた。それまで批評界は戦いから遠ざかっていた。彼らは
側杖《そばづえ》を食うようなことをしたくなかった。彼らはクリストフの人物を知って....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
恩人だものね」 「そりゃアまあ」 「あの晩かくまっていただかなかったら、斬合いの
側杖から、妾ア殺されていたかもしれないんだものね」 「そりゃアまあ……」 「それ....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
どうかと眺めている。 気の毒なのは店屋である。バタバタと雨戸を引いてしまった。
側杖を恐れたからである。役人も幾人かいたけれど、うかと手を出したら怪我しよう! ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
れちゃいなさいだが、鸛なんか王さまにしたおぼえのない実直な連中までが、スノッブの
側杖でパクパクやられるのはご免蒙りたいといっているそうです。 最後に、念のため....
「殺人迷路」より 著者:夢野久作
突いて引っくり返りそうになった。 「……村井だ……村井だ……」 「完全な犯罪」の
側杖を喰って、星田以上の恐怖に打ち拉がれていた彼は、最早、自分の意志を無くした空....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ろだ、わしとここでわかれるのだぞ」 「…………」 「わしから離れろ。――でないと
側杖を食う、お前が怪我をする理由はちっともない」 ポロポロと眼が溶けて頬に白い....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
落や田畠が無残にも荒らされる。住民は人夫に徴発されたり、その貯えを掠奪されたり、
側杖を喰って生命をまでも失ったりするばかりでなく、永く戦争が続いたような場合には....