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側用人
「側用人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
側用人の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
明の消えている闇の中で脇差をさぐり当てた。 と、薄い灯の影がさして、 「御前」
側用人が、叫んではいって来た。 「狼籍者が、押し込みました」 「浅野浪人か」 「....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
願い出て、敵直之進が、横死した旨の書状を貰った。 兄弟の家は、八百石を取って、
側用人を務むる家柄であった。藩では、さすがにこの不幸な兄弟を見捨てなかった。兄忠....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のご後室さまなのでした。 「お忙しいところを、ようこそいらせられました。当屋敷の
側用人を勤めおります渡辺助右衛門の母めにおじゃります。さっそくじゃが、不審はあれ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と行進の合図には拍子木を用いることなぞ皆この人の精密な頭脳から出た。水戸家の元|
側用人で、一方の統率者なる小四郎は騎馬の側に惣金の馬印を立て、百人ほどの銃隊士に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
立ち合いの名儀にとどまって、実際の指揮はすでに福島興禅寺を仮の本営とする尾州|御
側用人吉田猿松の手に移った。多年山村氏の配下にあった家中衆も、すべてお暇を告げる....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
に至った。 津軽|順承は一の進言に接した。これを上ったものは用人加藤|清兵衛、
側用人兼松伴大夫、目附兼松三郎である。幕府は甲冑を準備することを令した。然るに藩....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない人間を出してしまっては、それこそ取返しのつかない名折れであると思って、重役や
側用人たちは、もうそのことで心配していました。 それがために例の重役や
側用人ら....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
つぎ早に喚《わめ》きたてると、暗くて見えなかったが、左右の廊下にいながれていたお
側用人、国家老をはじめ室内の小姓まで、音ひとつたてず消えるようにひきとって行く。....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
に紋也は見覚えがあるではないか。
すなわち一人は薩摩の大領、島津|修理太夫のお
側用人、猪飼市之進その人であり、もう一人は毛利|大膳太夫の家老、宍戸備前その人で....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
した。そして
「只今」
と、云った。医者が立って行くと、すぐ、将曹、豊後、平、
側用人種子島六郎、島津石見が、入って来た。久光が
「一同、御前に」
と、云った....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
門から入ってすぐ御車寄《おくるまよせ》まで行く。 車寄についたお雪の桐箱は、御
側用人《おそばようにん》、お坊主附添いでまず老中《ろうじゅう》の用部屋まで運び入....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
の酒井、阿部、大久保、土屋などをも、意のまま操縦しているという柳沢|吉保なども、
側用人の小身から、破格に成り上がった不良の大なるものだという。 とまれ、上下と....