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「偶中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偶中の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
幸いお延がお秀の後を追《おっ》かけて出た事は、下女にも解っていた。偶発の言訳が偶中《ぐうちゅう》の功《こう》を奏した時、津田は再度の胸を撫《な》で下《おろ》し....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
夫にしても偶然に此の男が仮面という言葉を用うるも、奇と言えば奇だ。 併し彼様な偶中《ぐうちゅう》は有り中の事で畢竟気に掛ける余が神経の落ち着いて居ぬ為である、....
無惨」より 著者:黒岩涙香
之を縮れ毛と思ってお紺に目を附ました、夫が間違いです若し谷間田の疑いが当れば夫は偶中りです論理に叶った中方では在ません、私しは一生懸命に成て種々の書籍を取出しヤ....
運命」より 著者:幸田露伴
粮を棄てゝ奔る。燕の諸将|是に於て頓首して王の神算及ぶ可からずと賀す。王|曰く、偶中のみ、諸君の言えるところは皆万全の策なりしなりと。前には断じて後には謙す。燕....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
日本の近代文学はもっていなかった。客観的にはいつも偶然に、その人の才能と好機との偶中によって、婦人の創造性は既成の文学のうちに登場して来ていたのであった。 社....
妖怪学」より 著者:井上円了
子供が書をよくし字を知り、下女が論語を読むがごとき、これ神知の一種なり。偶合とは偶中暗合のことにして、偶然に想像と事実と暗合するの類をいう。例えば、親戚の者の病....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
を得たいと思います。それはなんであるかと申しますると、すなわち偶合論、また一つに偶中とも申します、偶然に暗合することであります。私は近来全国一周を企てまして、昨....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
っているのですが……。」 斯う云いながら、巡査は無闇に松明を振廻すと、火の光は偶中りに岩蔭へ落ちて、燦たる金色の星の如きものが暗に浮んだ。が、あれと云う間に又....