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偶像崇拝
「偶像崇拝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偶像崇拝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弓町より」より 著者:石川啄木
おいて自己および自己の生活の手段であり方法である。詩を尊貴なものとするのは一種の
偶像崇拝《ぐうぞうすうはい》である。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~....
「俘囚」より 著者:海野十三
の中には、確かにあたしの夫への恐怖が窺《うかが》われる。青年松永は子供だ。そして
偶像崇拝家《ぐうぞうすうはいか》だ。あたしの夫が、博士であり、そして十何年もこの....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
は心づかれが一身に担い切れない思いがする。父は娘を神秘な童女に思い做して、自家|
偶像崇拝慾を満足せしめたい旧家の家長本能を、貝原との問題に対してどう処置するであ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
いると、何十万年となく、孤独の高い座を守っている聖堂でも見るように思われて、私は
偶像崇拝者の気になり、何だか自分でひとり決めに、日本人の総代になったつもりで、ち....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
何かなしに自分の目は遠い所高い所にひきつけられる。考えてみると自分も結局は一種の
偶像崇拝者かもしれない。しかしこんな偶像さえも持たなかったら自分はどんなにさびし....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る材料がない。それゆえに木の片、石の塊をも捕えて、これに理想を盛りあげようとする
偶像崇拝が成立する。それは滑稽な悲劇をもって終わるに決まっている。私はこのトラギ....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
なかった。それに構わず彼女は、またぼんやりと考え込んだ。 偶像を抱いてるのだ!
偶像崇拝者の排他的な執拗さが、彼女の態度のうちに現われていた。凡ての仕事を打捨て....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ほうを好む。懐疑主義が民衆の気に入るのは、それがある愚鈍な自然主義かキリスト教的
偶像崇拝かを隠し持ってるときのみである。エゾープ誌がまとってる蔑視的な懐疑説は、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
汚行より汚行へ移りゆきしあの上院の前から、遁走しながら偶像を唾棄《だき》するあの
偶像崇拝の前から、顔をそむけるのが正当であった。一八一五年において、最後の災いが....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ともにそして天才と一体になって、力を賛美した。言い換えれば、彼は自ら知らずして、
偶像崇拝の二つの室《へや》の中に身を置いた、一方は神性なるもの、一方は獣性なるも....
「故郷」より 著者:井上紅梅
た。閏土が香炉と燭台が要ると言った時、わたしは内々彼を笑っていた。彼はどうしても
偶像崇拝で、いかなる時にもそれを忘れ去ることが出来ないと。ところが現在わたしのい....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
青年はあまり恋に飢え、恋の理想が強いとこうした間違いをする。相手をよく評価せずに
偶像崇拝に陥る。相手の分不相応な大きな注文を盛りあげて、自分でひとり幻滅する。相....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
りふれたアイロニイは劣等生でも言えることだ。 現に側近のバカモノが戦前に劣らぬ
偶像崇拝的お祭り騒ぎにとりかかり、彼がそれに殆ど抵抗を示していないところを見れば....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
的な行動のなかに、常にそれを持ち込まなければ承知できない自称インテリの思想とは、
偶像崇拝にも似た敬虔の強いられた表情にすぎないということ、これはまことに驚くべき....
「親鸞」より 著者:三木清
無常等の生の窮迫を怖れて、現在の欲楽を求めるところから邪神淫祠が生ずるのである。
偶像崇拝や庶物崇拝は人間が人間以下の邪神や自然物の奴隷となることであり、全くの邪....