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偶然性
「偶然性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偶然性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ソリニもいないことである。
小説
本当らしい小説とは単に事件の発展に
偶然性の少ないばかりではない。恐らくは人生に於けるよりも
偶然性の少ない小説である....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
、「五カ年計画を六カ年で!」というのがスローガンである。そのためには、日常行動を
偶然性に頼っていたのでは駄目なので、科学的な考顧の上に立って行動する必要があった....
「科学論」より 著者:戸坂潤
内容が全く別になる。機械論的(即ち又形而上学的・形式論理的)範疇組織による夫は、
偶然性乃至可能性の絶対的な排除を意味する。そうした機械的な決定論或いは宿命論のた....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
全に精密に決定されているということが、因果律の要請ではなかったか。ここにはだから
偶然性にすぎない。電子の存在は、電子の存在の蓋然性に外ならない、とも云われている....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
いうことである。処で、所謂近代物理学の諸根本概念は、例えば因果関係とか必然性とか
偶然性とか確率とかの概念や、又物質自身の概念さえ、もし物理学者が(唯物)弁証法的....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
同じく因果的でなければならず、社会も亦統計的でなければなるまい。それが今必然性や
偶然性、自由や蓋然、の範疇にすぐ様結合している点を注意するなら、ここでは範疇体系....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
な点は寧ろもっと別な処に横たわる。匿名批評の任務は批評する人間の個人的な個別性と
偶然性とを清算することを理想とするのではあるが、この理想は無論中々容易に実現は出....
「辞典」より 著者:戸坂潤
、経験的事実から一般的理論(原則)を抽出導来するに際して、まだそこに理論上多少の
偶然性が横たわっているような段階に、必要に応じて発生する所のものであって、理論へ....
「かれいの贈物」より 著者:九鬼周造
。「村上の送った鰈」は松葉がれいで「村上に送られた鰈」は笹がれいなのだが、事態の
偶然性が魔法の輪を描いて松葉がれいと笹がれいとを一つにしてしまったのだ。「村上の....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
の方法を取るべき材料いまだ具備せず。これらが一通り具備したる暁においても、現象の
偶然性を除く程度まで精しくこれを知悉する困難は現象の性質上甚だ大なるべし。かくの....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
う野心は、神に誓ってないと前川は自分で思っている。また軽井沢で、自然の力と境遇の
偶然性に駆られて、ちょっと唇を触れただけでも、その怖しい報いが、踵を接してやって....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
の額縁は、かえって人間|冒涜であり、この日常性の額縁をたたきこわすための虚構性や
偶然性のロマネスクを、低俗なりとする一刀三拝式私小説の芸術観は、もはや文壇の片隅....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
交っているのだ。 ――国木田独歩は「驚き度い」と言い続けながら、あんなにも運命の
偶然性、(前に独歩の小説運命論者を兄は妹に言って聞かせていた)を恐れているのだ。....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
無私的な官僚によって、計画性と安定性とをもって執行される」。かくして国家活動が「
偶然性・恣意性を脱し、あらかじめ計算しうる(予見しうる berechenber)....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
分自身の主観的制約を脱皮しようとする努力を意味するのだということが判る。主観的な
偶然性を消去するために、印象を繰り返し、つつきまわし、比較し、実験し、等々して見....