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偽君子
「偽君子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偽君子の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
として愛すべく尊《たっと》ぶべき少女であって見れば、仮令《よし》道徳を飾物にする
偽君子《ぎくんし》、磊落《らいらく》を粧《よそお》う似而非《えせ》豪傑には、或は....
「慾」より 著者:豊島与志雄
銀杏の葉の形をした五色のビラが、無数に降ってくる。それを拾ってみない者は、馬鹿か
偽君子だ。すばらしい広告的効果がある。街路樹が黄色い葉を撒き散らしてよいとすれば....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それをあんなにしばしば憎んだのは、それが凡庸《ぼんよう》な魂のうちにおいて、偽善
偽君子的愚劣さの源泉となってるからであった。ところが今彼は、大洋中の一孤島のよう....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
こともあった。そういう場合には、知らない顔をして答弁すまいと用心した。彼は愚かな
偽君子であるとともにまた粗笨《そほん》な人物であって、時の事情によってあるいは傲....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
呼び名を知ってる者のないことだった。人々は彼女を姉のジルノルマン嬢と呼んでいた。
偽君子的なことでは、姉のジルノルマン嬢はイギリスの未婚婦人よりも一日の長があった....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
て決心せし以来再び同志の言を信ぜず、御身《おんみ》は愛を二、三にも四、五にもする
偽君子《ぎくんし》なり、ここに如何《いかん》ぞ純潔の愛を玩《もてあそ》ばしめんや....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
表門は大いに飾り裏門はみすぼらしくしてあるが、さりとてこれがためにその家の主人が
偽君子《ぎくんし》なりと判断するは酷《こく》に過ぎたる批評である。表門と裏門とに....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
らい味噌汁を啜《すす》り、もって文明の事を学ぶべきなり。 十一編 名分をもって
偽君子を生ずるの論 第八編に、上下貴賤の名分《めいぶん》よりして夫婦・親子の間....
「イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
も言わぬが着々実行の上では立派な礼儀に叶った行為をなしている。元よりこの種の人は
偽君子ほど多くはない。
偽君子千人の中にせめて一人位なものであろう。世の中に多いも....
「三国志」より 著者:吉川英治
救ってやったのに、それに酬いるに、わが軍馬二百余頭を、張飛に盗ませるとは何事だ。
偽君子め! 汝は強盗を義弟として、財を蓄える気か」 ひどい侮辱である。 玄徳....
「三国志」より 著者:吉川英治
……そうたたえぬものはありませぬがの」 「みな玄徳の詐術というもの。彼ほど巧みな
偽君子はない。そんな者にあざむかれて、万代に悪名を残さんよりは、今もいうた通り、....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
しまた、道義を口に、良民を威圧し、道義をかんばんに横行して、悪の押売する俗志士、
偽君子も世間に多い。法は道義などといえもせまい」 「では、情でしょうか」 「法は....
「それから」より 著者:夏目漱石
頭脳の鈍い劣等な人種である。代助は父に対する毎に、父は自己を隠蔽《いんぺい》する
偽君子《ぎくんし》か、もしくは分別の足らない愚物か、何方《どっち》かでなくてはな....