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偽筆
「偽筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
偽筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
庵に命じました。 「いや、おまえの口からじかに言ってもらおう。心きいた女ならば、
偽筆ということ看破しないともかぎらないからな。あの家へいって、もしいま亭主がいな....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
やれと話したのだが、あとから聞いてみると、あいつは悪《わ》るい奴《やつ》で、よく
偽筆《ぎひつ》へ贋落款《にせらっかん》などを押《お》して売りつけるそうだから、全....
「道草」より 著者:夏目漱石
ち》にしたら今じゃよっぽどするでしょう」 昔し島田は藤田東湖《ふじたとうこ》の
偽筆に時代を着けるのだといって、白髪蒼顔万死余云々《はくはつそうがんばんしのよう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ってしまうのは、ちっと詮議が足りないように思われた。それにしても、おみよの書置が
偽筆でない以上、かれが自殺を企てたのは事実である。若い女はなぜ自分で死に急ぎをし....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
木に当てた依頼状さえあれば、あすにも楽な身になれるというので、僕は思いも寄らない
偽筆を頼まれた。 八 青木というのは、来遊の外国人を当て込んで、箱根....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
念には念を入れると云う用心から、もう一度浅田に手紙を送ったのだ。もし手紙が浅田の
偽筆だったり、又は強制されて書いたものだったりしたら、この二度目の手紙で真相が分....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ます》、ト挨拶シタラバ、ソノ座ノ者ガ一言モイウコトガ出来ヌ故、兄ガイウニハ、是ハ
偽筆ニ違イナイカラ、ワシガアヤマッタト云ウカラ、サヨウナラ大兄ヘ手紙ヲ遣《つか》....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いのと、あのペンにはもうインクがはいっていなかったのだ。本の背中の文字は野枝子に
偽筆を頼む。 うちのみんなに宜しく。 今二時が鳴った。日向ぼっこももう駄目だ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
、新聞なぞにもよくでる名前なんです。金額は大したものです。が、その署名は、それが
偽筆でさえなければ、それ以上の額だって支払うことのできるものでした。僕はその男に....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
いるうちに粕を絞らせられるような事になっては堪らぬと気が付いたので、すぐに一通の
偽筆、匿名の手紙を書いて、面会の時日を東都日報、中央夕刊の二つに広告しろと云って....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
れわれを救ってくれる。もし危な気があるものありとしたならば、それは私の知るかぎり
偽筆であることの証左である。 しかも良寛様の書は、例えそれが晩年作にしても、さ....
「三国志」より 著者:吉川英治
知って二を知らぬものだ。――もしこの書簡が偽状であったらどうするか」 「断じて、
偽筆ではありません。わたくしは曹操の筆蹟は、若い時から見ているので」 彼の熱意....