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傍系
「傍系〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傍系の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
暮らしていた。社会面記事から惹き起こされた二人の醜悪な心情から、その後もいろいろ
傍系的な不快な事件がおこって、ある時などは二人立ちあがって、部屋中押しつ押されつ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
し筋は分って来たようである。 つまるところ、目賀野は本事件の主役ではなく、その
傍系《ぼうけい》のドンキホーテ染《じ》みたところのある人物に過ぎないのだ。 「例....
「連環記」より 著者:幸田露伴
あろう。保胤の妻及び子は何様な人であったか、更に分らぬ。子は有ったに相違ないが、
傍系の故だか、加茂氏系図にも見当らぬ。思うに妻も子も尋常無異の人で、善人ではあっ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ているこの本流――パルメニデスはその最も輝いた中継の祖に当る――から見れば、多少
傍系の位置に付けられるだろう処の(併し之は考え方によっては少しも
傍系なのではなく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
引くという家柄は多いけれど、お前より正しい者はありません。その正系のお前よりも、
傍系の、あるかなきかの系図を言い立てた者が上席にいて、我は顔をするのを、お前は口....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にはない、名古屋にも、加藤と名乗って清正の直系と称する家は幾つもあるけれど、みな
傍系に過ぎない、先祖の加藤清正が、悲壮なる覚悟を以て心血を注いだあの城、あの城に....
「百万人の文学」より 著者:坂口安吾
ろうから、百何年間に一千万人以上の人が一本ずつ買ったと見ていい。 「アドルフ」は
傍系の文学で、一時期に流行することがなく、細々といつもだれかしらに読まれている性....
「調査機関」より 著者:中井正一
は早く課長、局長、次官の出世コースを進むことができたのに反して、技術系統の官吏は
傍系として出世街道から長くとり残されていた。この空気は現在でも余り変わっていない....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
き方はしなかったようです。被害者が鬼女の面をアンマにかぶせて、もませていたという
傍系的な興味を一ツつけ加えるのが楽しみのための取材でしたね」 「そうですよ。とこ....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
合その甘さは深まりゆく悲しさには全く無関係なのであって、そういう甘さは全く彼には
傍系的なものであり、いわば彼は彼のまことの悲しさとは別の場所に茶番をしているので....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ックの散歩用に使われているだけだ。ここには相当の珍種があるのだそうだが、私とても
傍系の難民だから、焚火をする以外に植物の名も用も知らないのである。植物園の中には....
「回想録」より 著者:高村光太郎
親しくつきあっていた。然しいつの場合でも、私は運動の中心になるというのではなく、
傍系のような形でやって居たと言えるであろう。 そういう人々の印象派や後期印象派....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
られていた。欧洲の学者の多くは日本の美をも支那系と目している。少くとも支那美の一
傍系と見ているようである。大和民族に独立の美の一大源泉があって、まったく世界のい....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
問題には触れぬことにして、事件の外廓に専ら注意を集中しよう。こんな問題の場合には
傍系的といおうか、附随的といおうか、直接事件に関係のない事柄を全く無視するために....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
器を合わせ、大正九年に聯合紙器株式会社を創立した。聯合紙器の名は、当時東京電気の
傍系会社に帝国聯合電球というのがあって、これからとったのだが、どうもゴロが悪く、....