傍聴[語句情報] »
傍聴
「傍聴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傍聴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
「なるほど、これだから裁判はむずかしい! へえ、それからどう致《いた》しました」
傍聴者は声を斂《おさ》めていよいよ耳を傾けぬ。威儀ある紳士とその老母とは最も粛然....
「海底大陸」より 著者:海野十三
どいいところだ。わが生物界の権威者が一堂に会しているところなんです。ぜひあなたも
傍聴していらっしゃい。あなたが東洋へ帰って論文を書かれるにしても、きっと参考にな....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
て、ふと立止ったんですが、むろんすぐには思出せませんでした。そこで、なにか事件の
傍聴にでも来た人だな、とまアそう思ったんです。まったく、
傍聴人の中にはいつだって....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
の、五月二十三日に開かれた。 十四、五人の被告がボックスの中に待っている間に、
傍聴人がぞろぞろと詰めかけて、やがてリンの響きとともに、よぼよぼのお爺さん判事が....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
件については本国へ向かっての報道を禁止する。事態は重大である」 この部屋の隅で
傍聴をしていた三根夫も、このとき思わず身ぶるいがでた。たがいに助けあう友だちの艇....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
治明博士の帰国第一声を重視して紙上に報道した。だから会場は当日、会員以外に多数の
傍聴人が集り、五千人の座席が満員になってしまった。 治明博士の講演は「ヨーロッ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
」 検事と帆村の永い対談はここで漸く一旦の終結を遂げた。しかしこれを辛抱づよく
傍聴していた係官たちは、無用の禅問答を聞かされたようで、多少のちがいはあるが、誰....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
それから燻精の講義が三ヶ月つづいた。 燻精の講義は全くすばらしかった。ときどき
傍聴に来る醤買石は、その都度、頤の先をつねって恐悦した。 「ふふふ、洋酒百四十函....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、俤、伏目に我を仰ぎ見る囚人の顔、弁護士の額、原告の鼻、検事の髯、押丁等の服装、
傍聴席の光線の工合などが、目を遮り、胸を蔽うて、年少判事はこの大なる責任のために....
「墓」より 著者:秋田滋
。検事は、かつてベルトランという一軍曹によって犯された身の毛のよだつような行為を
傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟した。忿怒の身顫いが傍....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
んだ。この時まで、お夏が女房といいかわした言は、何となく所帯染みて、ひそめいて、
傍聴きするものの耳には、憚る節があるようであった。 いかばかり酒に咽喉が鳴って....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
あろう。かれが守田勘弥であることを記憶していたら、わたしも一緒に引返してその話を
傍聴したものをと、今更に悔まれた。面白くもない序幕のだんまりなどを見物するよりも....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
してしまった。 船場が松島に耳うちしたことはほかでもない。 「豊臣太閤秀吉公が
傍聴に来られたから、つまらぬことを言うな」 と注意したのであった。 なるほど....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
学生運動は、文化同盟という形で集結されておったが、その連中、軍事研究団の発会式に
傍聴に出かけて猛烈なる弥次闘争を展開した。当日は名前は忘れたが第一師団長?が幕僚....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
楽々した」 「そうでしょう? 今日の弁論、とても素晴らしかったんですってね。私、
傍聴したかった。霜山弁護士さんが先刻おいでになって、褒めていらしたわ、あんな熱の....