傍視[語句情報] »
傍視
「傍視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傍視の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っとした。 「しッ」と、例の女が急に注意をあたえた。「池の方を見ておいでなさい。
傍視をしてはなりませぬぞ」 何者かが何処かで自分を窺っているのだと気がついて、....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
くこともできなかった。私は悪戯好《いたずらず》きで反抗的な子供であった。教室では
傍視《わきみ》をしたり、隣の生徒に相手になったり、楽書《らくがき》をしたりばかり....
「鍛冶の母」より 著者:田中貢太郎
けた夕陽が路傍の林に淋しく射し込んでいた。長い長い山路で陽が入りかけたので飛脚は
傍視もしなかった。それでも野根村の人家へ往き着くには、どうしても夜になるぞと彼は....
「放生津物語」より 著者:田中貢太郎
へっ、そんな鳥の巣のような箱の中に、神様がおってたまるものかい」 泰然と坐って
傍視もせずに前の方を見ていた源吉が云った。 「お諏訪様は、其処にいるのだよ、蟹を....
「女の怪異」より 著者:田中貢太郎
赭土の肌の見えている処では、草は短くなってそこでは路があっちこっちに乱れていた。
傍視も揮らずに一心になって草の路を追っている菊江の耳に物の気配がした。菊江は無意....