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「傍観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傍観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
が、理由を知らないながらも、何となく不快に思ったのは、池の尾の僧俗の態度に、この傍観者の利己主義をそれとなく感づいたからにほかならない。 そこで内供は日毎に機....
路上」より 著者:芥川竜之介
しい生活の渦の中へ、思い切って飛びこむ事が出来なかった。袖手《しゅうしゅ》をして傍観す――それ以上に出る事が出来なかった。だから彼はその限りで、広い世間から切り....
星座」より 著者:有島武郎
さん風の婦人と西山さんとの間にいて、ほかの書生さんたちは少し輪を大きくしてそれを傍観していた。奥さんというのは西山さんに何か餞別物を渡そうとしているところだった....
親子」より 著者:有島武郎
、からんだような言い振りで問いつめて行った。彼はこの場合、懐手をして二人の折衝を傍観する居心地の悪い立場にあった。その代わり、彼は生まれてはじめて、父が商売上の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
せに、外界に対してなお閑葛藤を繋いでいるようなお前に対しては、恐らく私は無慈悲な傍観者であるに過ぎまい。私は冷然としてお前の惨死を見守ってこそいるだろうが、一臂....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の研究者の見い出したものから必然的論理的に構成の歩を進めてゆくであろう。皮相的な傍観者の眼には、一つの思考体系が現われると、他のものが転覆するように見えることが....
私の活動写真傍観」より 著者:伊丹万作
き雨の筋が無数に上から下へ走つている。 私の記憶に存する範囲では、私の活動写真傍観史はこの時に始まるようである。 湊川神社の近くに八千代座というのがあつた。....
思い」より 著者:伊丹万作
に自社の利益を擁護する立場を脱しきれないためと、いま一つには当局の態度がいささか傍観的にすぎるためらしい。 各社代表が、利益から離れられないのは、むしろ当然す....
競馬」より 著者:犬田卯
、もう人で埋っていた。すでに何回かの勝負があったらしく、喊声や、落胆の溜め息や、傍観者の笑いさざめきなどが、ごっちゃになってそこから渦巻き昇っていた。 彼は人....
妖怪学」より 著者:井上円了
叉足が芸人の調子に合わせておもしろくおどるべし。このときも手を緩く浮かぶるなり。傍観者にして伺いたきことあるときは、三人のうちへ申し願いすべし。また、傍観者自ら....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
が芸人の調子に合わせておもしろくおどるべし。このときまた、手を緩く浮かぶるなり。傍観者にしてうかがいたきことあるときは、三人のうちへ申し願いすべし。また、傍観者....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
鴎外に会った時、それとなく噂の真否を尋ねると、なかなかソンナわけには行かないよ、傍観者は直ぐ何でも改革出来るように思うが、責任の位置に坐って見ると物置一つだって....
活人形」より 著者:泉鏡花
。順了人情公道虧。如かず人情を棄てて公道に就き、眼前に下枝が虐殺さるる深苦の様を傍観せんか、と一度は思い決めつ、我同僚の探偵吏に寸鉄を帯びずしてよく大功を奏する....
西航日録」より 著者:井上円了
し、図書館内を一覧す。午後、妻沼氏(山形県人)在学の学校にて挙行せる賞品授与式を傍観す。インドは当時晴期にて、毎日快晴、一片の雲を見ず。気候は不寒不熱、日中は単....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の祝日なれば、小学生徒二千人列を成し、国歌を奏し、大統領の席前に敬礼して過ぐるを傍観す。動止整然たり。当日、コロンブス発見の往時を回想して一詩を賦す。 希世壮図....