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傍証
「傍証〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傍証の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
礎とするもので、仏の予言は政治史の大勢、科学・産業の進歩とともに、私の軍事研究を
傍証するために挙げた一例に過ぎない。 私の軍事科学の説明が甚だ不十分であること....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
※の英国名の起原が東欧の俗譚を調べて甫《はじ》めて釈《わか》り、支那の俚伝がその
傍証に立つ、これだから一国一地方の事ばかり究むるだけではその一国一地方の事を明ら....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
けであります。で、取調べの過程においてもお前からは聞こうとは思わない。しかしもう
傍証でかたまっておってお前は何をいおうと駄目なんだ。もう容疑ではなくて確定してい....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
である。 ★ 新十郎はまる五日間、留置の千代を取調べずに、
傍証をかためているようだった。彼は全てを調べあげたが、特に甚八の行動には興味をひ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
古は銃士の中でも腕利の四人を召集すると、抜け目なくここへ配置し、自分は一と足先に
傍証固めにとりかかっていたのだった。午後から今までの真名古の活動はもっぱら魚をこ....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
五郡を給せられたというに至っては、ただに事実に合わぬものあるのみならず、一も他に
傍証すべきもののないのを憾みとする。『保暦間記』によると、安東五郎というもの東夷....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
ち、山子や木挽石屋に限って、藁縄で作った同形のものを持っているというのによっても
傍証せられるのである。すなわちクグツの名がその持物たる莎草製の袋から来たという説....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
の徒が時に応じて種々の職に従事し、為に時には鉦打の七|変化などと呼ばれたのも以て
傍証とするに足ろう。 要するに駆使部も泥部も共に同一階級のもので、もと土師人の....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
記録上より立てられた非再建論には、勿論種々の方面からその説が論議せられ、その
傍証が試みられたのであったが、中にも最も有力なるものは、寺院側においてかつて天智....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
言葉ばかりを気にする人もあるが、言葉ほどこじつけやすいものはないのである。言葉は
傍証であって事実の根拠が確かめられた後に、それと思い合せていよいよ間違いがないと....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ホド・ヒホドの所在も国の一隅の、殊に古風を多く遺した地域である上に、文献その他の
傍証はホドに古く、ジロという語は新しいというよりもむしろ稀である。一つの参考は越....
「硝子を破る者」より 著者:中谷宇吉郎
もありそうである。もっともこういう類推は、厳密に言えば譬喩《ひゆ》であって、何も
傍証的《ぼうしょうてき》な意味があるわけではない。しかし今日われわれが「戦争に敗....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
なかったかと思っているのである。 ○ そう考えても許さるるかと思う
傍証の一つは、これも山陰地方でならば得られる資料で、出雲大社を始めとして、遠方の....
「学問ある蛙の話」より 著者:知里真志保
寒の地に永く住み侘びた民族にして始めて可能だと考えられるから、それを以てアイヌの
傍証南下説の一つとすることもできるのである。アイヌ研究に最も重要なものの一つは、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
竺の話を書いたのではあるが、当時わが国において、「破戒の声聞」の語が行われていた
傍証にもなろう。つまりは高僧に対する卑賤の俗法師を、菩薩に対する声聞の語をもって....