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傘下
「傘下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傘下の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「相撲」より 著者:寺田寅彦
観客群衆のどよみがよくきこえる。行司の古典的荘重さをもった声のひびきがちゃんと鉄
傘下の大空間を如実に暗示するような音色をもってきこえるのがおもしろい。観客のどよ....
「女性崇拝」より 著者:岡本かの子
と、それほどけばけばしく女性尊重を放送しないフランス人が、家庭は全く主婦の女王の
傘下に従順に温まって易々諾々である。フランス人に言わせるとこの方が生活にも人生に....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
三度まで失敗したという話です。 しかも、彼は、そのお蔭で、コポオに拾われてその
傘下に投じ、徹頭徹尾コンセルヴァトワアルの行き方に楯ついたコポオの指導を受けるこ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
数千の身内を擁し、両々相譲らざる二大勢力。前田組は林興業に帰属し、鶴見組は日興の
傘下に在る、その鶴見組が帝国ホテルも真近い内山下町で騒いでいるという道灌山の電話....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
朝打倒の急先鋒だった。日頃、ひそかに圓朝の盛名を妬んでいた連中も、しめたとこの大
傘下へ集まってきて気勢を上げた。そこへ持ってきて当の三遊派の家元で圓朝取り立ての....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
反抗するような態度もなく、俳句の如きは愛松、極堂、霽月らの諸君に伍して子規居士の
傘下に集まった一人として別に意に介する所もなかったのであろう。のみならず、この病....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
憂いて樹心が哭くのか、その巨幹を梢の先まで戦慄させ、煙のような霧風を呼ぶたびに、
傘下の剣と人影へ、冷たい雫をばらばらと降らせた。
――一個の死者と三名の傷負は....
「三国志」より 著者:吉川英治
州の劉表と襄城の張繍とは、共に真の国士なり、と仰せられていましたが、せつに両雄を
傘下にお迎えありたい意志があります。依って不肖それがしを使いとして、今日、さし向....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
―だから越後兵以外、奥武蔵の郷武者ばらも馳せ参じて、 「お味方に」 と、多少は
傘下へ来ていたろうと思われる。 だが、義貞の腹づもりにしてみると、 「それにし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
が吉野へ来てから着々とすすめていた南党再起の布石もととのい、熊野海賊の洋上勢力も
傘下に加え、また近くには、河内の東条に前衛本陣をきずいて、そこには、正成のわすれ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
分父の衣鉢を継ぎ得ていたのである。 さらに三斎について注目すべきは、彼が徳川の
傘下に在りながら、幕府の不遜な対朝廷策に、大きな忿懣を抱いていたことである。 ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
六年 墺国の外交は着々成功し露、スウェーデン、索(ザクセン)、巴等の諸邦をその
傘下に糾合し得たるに対し、大王は英国と近接した。 また大王は墺国のシュレージエ....