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備
「備〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
備の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
もつかない声を、たれとも知らずわっと上げると、始めのひるんだけしきにも似ず一度に
備えを立て直して、猛然として殺到する。沙金《しゃきん》も、今は弓にたかうすびょう....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それへ話がはずみましたが、やがて一人の教員が申しますには、中町《なかまち》とかの
備後屋《びんごや》と云う酒屋の女房は、一旦|梁《はり》の下敷になって、身動きも碌....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
どの経文にも書いてない。勿論|竜樹《りゅうじゅ》や馬鳴《めみょう》も、人並の鼻を
備えた菩薩《ぼさつ》である。内供は、震旦《しんたん》の話の序《ついで》に蜀漢《し....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いつも獺《かわうそ》を仮設敵にしているということです。しかも獺は河童に負けない軍
備を具《そな》えているということです。僕はこの獺を相手に河童の戦争した話に少なか....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
央にグラノフォンが一台あり、白銅《はくどう》を一つ入れさえすれば音楽の聞かれる設
備になっていた。その夜《よ》もグラノフォンは僕等の話にほとんど伴奏を絶ったことは....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
。南ですか? 北ですか?
小説家 南から北へ周《めぐ》るつもりです。
編輯者 準
備はもう出来たのですか?
小説家 大抵《たいてい》出来ました。ただ読む筈だった紀....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
原の松が五六本、天蓋《てんがい》のように枝を張っている。
一切《いっさい》の準
備の終った時、役人の一人は物々《ものもの》しげに、三人の前へ進みよると、天主のお....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
を上《あが》って、例の通り二階の勉強部屋へ行った。が、机に向って見ても、受験の準
備は云うまでもなく、小説を読む気さえ起らなかった。机の前には格子窓《こうしまど》....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ちらこちらを歩きながら、口早に基督《キリスト》の生涯を話した。衆徳《しゅうとく》
備り給う処女《おとめ》マリヤに御受胎《ごじゅたい》を告げに来た天使のことを、厩《....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
った。第×師団第×聯隊の白襷隊《しろだすきたい》は、松樹山《しょうじゅざん》の補
備砲台《ほびほうだい》を奪取するために、九十三高地《くじゅうさんこうち》の北麓《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なかったであろう。
ムアアの言葉
ジョオジ・ムアアは「我死せる自己の
備忘録」の中にこう言う言葉を挟んでいる。――「偉大なる画家は名前を入れる場所をち....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
しあい》と申す講談でございました。当時の私の思量に、異常な何ものかを期待する、準
備的な心もちがありはしないかと云う懸念《けねん》は、寛永御前仕合の講談を聞いたと....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
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細川家は、諸侯の中でも、すぐれて、武
備に富んだ大名である。元姫君《もとひめぎみ》と云われた宗教《むねのり》の内室さえ....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
った事がある。その時は糸織の羽織か何か著て、髪を油で光らせて、甚大家らしい風格を
備えていた。それから新思潮が発刊して一年たった年の秋、どこかで皆が集まって、飯を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
多少文才のあることを要する。悲しいかな、著者は自ら顧みて、決してこの二つの条件を
備えておるとは思わない。ただ最初の試みをするのみである。 科学者の中で、特にフ....