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傚
「傚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
その上に詩が題してある。詩体はどうも蘇東坡《そとうば》の四時《しじ》の詞《し》に
傚《なら》ったものらしい。書は確かに趙松雪《ちょうしょうせつ》を学んだと思う筆法....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
芸術家は芸術と言えば、天下の宝のように思っている。ああ言う芸術家の顰《ひそ》みに
傚《なら》えば、わたしも亦一鑵六十銭の蟹の鑵詰めを自慢しなければならぬ。不肖行年....
「家」より 著者:島崎藤村
てみることであった。忠寛は最後まで国風の歌に心を寄せていた。ある時、正成の故事に
傚って、糞合戦を計画した。それを格子のところで実行した。母も、親戚も、村の人も散....
「不審庵」より 著者:太宰治
を玩味し給うとは雖も、その趣旨たるや、みだりに重宝珍器を羅列して豪奢を誇るの顰に
傚わず、閑雅の草庵に席を設けて巧みに新古精粗の器物を交置し、淳朴を旨とし清潔を貴....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
がしの隠居所作る手伝い柱を削れ羽目板を付ろと棟梁の差図には従えど、墨縄の直なには
傚わぬ横道、お吉様と呼ばせらるゝ秘蔵の嬢様にやさしげな濡を仕掛け、鉋屑に墨さし思....
「古狢」より 著者:泉鏡花
の篇には、勿論、外套氏と寸毫のかかわりもない。続いて、仙女香、江戸の水のひそみに
傚って、私が広告を頼まれたのでない事も断っておきたい。 近頃は風説に立つほど繁....
「連環記」より 著者:幸田露伴
序に見える通り、唐の弘法寺の僧の釈迦才の浄土論中に、安楽往生者二十人を記したのに
傚ったものであるが、保胤往生の後、大江匡房は又保胤の往生伝の先蹤を追うて、続本朝....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
この初阪とは、伝え聞く、富士、浅間、大山、筑波、はじめて、出立つを初山と称うるに
傚って、大阪の地へ初見参という意味である。 その男が、天満橋を北へ渡越した処で....
「野道」より 著者:幸田露伴
し直して、張紙の※口|呑んだままなおそれを手にして四方を眺めている。自分は人々に
傚って、堤腹に脚を出しながら、帰路には捨てるつもりで持って来た安い猪口に吾が酒を....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
と足を移す。沢蟹がおりそうなりとて、嘉助氏石を取りのけしに、果しておりたり。一同
傚いて、行く行くこれを捕う。大さ一寸|乃至二寸、身は蝦にて、螯だけが蟹也。この夜....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
られたとの説の信ぜられておった事は疑いなく、そしてそれが流例となって、「後世之に
傚ふ」とあってみれば、古来遺骨を散ずるの風のかなり行われていたことは、立派に承認....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
なり、地方の政治は紊れて、蝦夷に対する睨みが利かなくなりました。のみならず、上に
傚う下で、地方官はかえって蝦夷人を虐待して、私利をのみ図るという有様でありました....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に来た時お逢い申せるように願いを掛けて置くとこう申して礼拝をするから、私もそれに
傚って礼拝をしてそこで余程感慨に打たれたです。
幾千里の山海を隔て非常な困難を....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の
「グリ」は繰入の「くり」で、お気に入るでしょう。
鷙鳥(同上。以下|
傚之。)
それはそうだ。来歴は調べてある。古来
悪くも言われたが、褒められた方が....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
て独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動かし、孫生が両頭の蛇を見て決断せるに
傚うこと能わず、乃ち鄭子が九尾の狐に逢いて愛憐するが如くなるを致す。事既に追うな....