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「催眠剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

催眠剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
。 「……ヒロポン中毒とは一しょに暮していけません……」云々。 ヒロポンは鎮静催眠剤とは反対に、中枢神経を一時的に刺戟して、覚醒、昂奮させる注射薬だが、坂野は....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
気圧にも疳を昂ぶらせて、夜もおろおろ寝られなかった。だいぶ前から不眠症にかかって催眠剤を摂らねば寝付きの悪くなっていた彼は、秋近の夜の眠のためには、いよいよ薬を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
廊下に当る聖趾窓から抜け出すだろう。そして、大洋琴の中にでも潜り込んで、それから催眠剤を嚥むに違いないのだよ。サア行こう。今度こそ、あの小仏小平の戸板を叩き破っ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
包にはあるアルカロイドの名が書いてありますが、内容は僕のポケットに偶然入っていた催眠剤なんですよ。つまり、この事件の成因に僕独自の解釈を施した結論でして、犯人に....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
、先生の目的も私の目的も達せられなかったのでした。多分親切からでしょうが、紅茶に催眠剤を入れた方は飛んだ罪作りの方です。 ではさようなら、お身体を大切に』 ....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
んでいたが、今朝十時寝室で冷くなって死んでいるのが発見された。死亡の原因は多量の催眠剤を呑んだ為らしく、それが自殺の目的で呑まれたのか、過失によるものか不明であ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
部屋にいる僕自身を。…… こう云う僕を救うものは唯眠りのあるだけだった。しかし催眠剤はいつの間にか一包みも残らずになくなっていた。僕は到底眠らずに苦しみつづけ....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
く南蛮寺から何物をも、奪い取ることが出来なかった。 風船仕込みの毒薬は、強烈な催眠剤であったそうな。 しかしそれにしても唐寺の謎とは、どういう性質のものなの....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
てそうではない。斯う云う粗雑な虚偽は、アルコオルと同じように、民衆を無気力にする催眠剤である。麻酔剤である。吾々が芸術に持たせたいと思う娯楽の力は、精神的元気を....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
音をきかせ、その他川の音風の音、蛙の音などを聞かせたものである。)そうして些少の催眠剤など。…… そうして詳細の地図を持ち、目欲しい城の繩張絵図、こういうもの....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
ければ(飲めばの――誤植ではない)眠れないという厄介な悪癖の持主がいる。飲む方も催眠剤に珈琲を使用するようでは、全く憂鬱だろうが、そんな風に飲まれる珈琲も恐らく....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
七ヶ月ぐらいのものでしたからとうとう助かりませんでした。一方妻は、かねて酒の中に催眠剤を入れて置きましたので信之は気絶を装って居た妻に暴行を加えない先に眠ってし....
ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
に恐ろしいのだ。で、結局は、愉快に眠って、眠ったまま、いつとはなしに死んで行ける催眠剤の種類が僕にとっては一ばん好都合なのである。 同じ催眠剤のうちでも、味の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
るはずがないのが当然で、結局禅には全く失望した。禅は思想上のキューリオ、精神上の催眠剤であって、今日の紛糾錯綜入乱れた文化の葛藤を解決し制馭する威力のないもので....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
夜子さん、私、直ぐ帰って来ますから――」 と起ち上り、 「待っている間に薬局で催眠剤でもつくらせて、少しお飲みなさいよ、大分、神経が疲れているようだから――」....