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傭う
「傭う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傭うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
当時はフランスでも戦争には傭い兵を使うのがよいと思われていた。ところが多数の兵を
傭うには非常に金がかかる。しかるに残念ながら当時、世界を敵とした貧乏国フランスに....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
案内者を連れてきたまえ。案内者を連れぬ人はだいたい小屋は使えないのです。案内者を
傭うお金がおしいなら山に登らないがいいでしょうと言われました。福松君も児島氏の組....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
め眼病になりもしない。一滴の涙が大効を奏し数度の戦いに心身を練った武田家の遺臣を
傭うことが出来たら、こんなうまい商売はないよ」と唯物的に片付けてしまうが、治まれ....
「胡氏」より 著者:田中貢太郎
直隷に富豪があって家庭教師を傭おうとしていると、一人の秀才が来て、自分を
傭うてくれと言った。主人は内へ入れて話してみると、言語がさわやかであったから、好....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
くさい目容をして、「それに宅だって、まるきり女手がなくちゃやりきれやしない。人を
傭うとなると、これまたちょっと億劫なんです。だからこっちも別に損の行く話じゃねえ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
づける。先生の家にも、大麦小麦を合わせて一反そこらの麦の収納をするが、其れは人を
傭うたりして直ぐ片づいてしまう。慰みにくるり棒を取った処で、大した事も無い。買っ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
に彼女は嚇《か》ッとするのだ。うすべりの耳をたたきつけて喚いた。
「夷人の船など
傭うて来なさったのはあんたじゃった、――傑物なそうなが、あんたはまだ若い、わかい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ています。姿を現わさないにしても、いずれにか志す所の安住の地があればこそ、駕籠を
傭うたものであろう。駕籠屋とても、めくら滅法界に人を載せて走るというはずはありま....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
せながら、両袖で腹部を蔽って、室の真中に泰然と坐っていた。ただ一つの要求は女中を
傭うことだった。その女中が漸く一人見付かると、家の中の用を殆んど凡て任せっきりに....
「土地」より 著者:豊島与志雄
てきかせたになあ……。お前、一体町せえ行って何するつもりだ。」 「製糸工場で人を
傭うだとよ。おら其処で暫く稼えで、金がたまったらじき戻って来るだ。」 平助は彼....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
せん。」 「無いのか、仕方のない奴だ!――だがまあ二十円位い損をしたって、泥棒を
傭うて置くよりゃましだ。今すぐぼい出してしまえ!」 「へえ、さようでございます。....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
ってる南部氏の世話で丁度カイロから来ていた通訳《ドラゴマン》サイド・マブロウグを
傭うことにして、午後早目にポート・サイドを立ってカイロに向った。鉄路約一五〇マイ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
が出て来て、その婦人なら申分ない料理女だからと云う返事であったので即座にこの女を
傭うことに定めた。彼女が行李などを持ち込むと、すぐに家の中の拭き掃除にかかり、食....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
います。それから二三日過ぎると大平さんから手紙がまいりまして、愈よ会社であなたを
傭うようになったからそちらを片附けて名古屋へおいでなさい。私の家に同居なさっても....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
種になるのじゃ、十兵衛が手には職人もあるまい、彼がいよいよ取りかかる日には何人も
傭うその中に汝が手下の者も交じろう、必ず猜忌邪曲など起さぬようにそれらには汝から....