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「傲り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傲りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命」より 著者:幸田露伴
故無きにあらず。兵馬の権、他人の手に落ち、金穀の利、一家の有たらずして、将帥外に傲り、奸邪間に私すれば、一朝事有るに際しては、都城守る能わず、宗廟祀られざるに至....
斜陽」より 著者:太宰治
たいま気づいたみたいに大げさに騒いで見せたのである。花は、濃い紫色で、りんとした傲りと強さがあった。 「知っていました」 とお母さまはしずかにおっしゃって、 ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
奴僕の如く駆使している。最上等の血液と、最高等の営養物を全身から搾取しつつ王者の傲りを極めている。そうして脳髄自身の権威を、どこまでもどこまでも高めて行く一方に....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
かと宣いつつわれらを見てまた大口に笑いたもう。げに平壌攻落せし将軍もかくまでには傲りたる色を見せざりし。 二郎が苦笑いしてこの将軍の大笑に応え奉りしさまぞおか....
或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
通った。その二つのことが間歇的に私に起ってきた。ああ年若な女の容易い慴えよ、また傲りよ! 然し今から考えると、それ以外に或る大きな蠱惑が私を囚えていたように思わ....
頸飾り」より 著者:辻潤
気づきなさらなかったのですか、もっとも大層よく似ておりましたから」 で、彼女の傲り気は一種の無耶気な様子を示して微笑んだ。 フオレスチャ夫人は真底から動かさ....
地上」より 著者:島田清次郎
深井によって伝えようと決心した日の次の日の午後、彼は一事を敢行したことの英雄的な傲りを感じながら靴音高くかえって来た。なぜ靴音が高いか。彼は「こと」を敢行したか....
日記」より 著者:宮本百合子
歓喜を恵み給え。 今一度 かの日の熱望と光明とを わが心窩の壇上にとぼし給え傲り驕った望みと云わば云え 今こそ繩縛の身であっても わたくしは 一燈の聖....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
だその人らしいのに逢わなくってよ。 兵卒等 牆壁聳ゆる 堅固なる城塁よ。傲り蔑する 気性ある少女子よ。 占領したきはこの二つ。 艱難困苦は大なれど、 そ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
日本の国と人とに今はひたすら取り縋ってはいるものの、由来|小悪で狡くて、勝っては傲り、弱みにつけこみやすいのが日本人のある階級の特性である。善良で無智と見ると何....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
わみ、雲はさわやかな雨に充ちるときに沈降する。人類の善行者たちも自分の豊かな力に傲りはしない。もしも重い〔〕睫毛の下に涙が膨らみ溜るならば、それが溢れ出ないよう....