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「傲岸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傲岸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
ぶったなり、ちょいと顋《あご》でこの挨拶に答えながら、妙に脂下《やにさが》った、傲岸《ごうがん》な調子で、 「今朝《けさ》郁文堂《いくぶんどう》で野村さんに会っ....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
とであった。 銀造はもう一度振り向いた。章三の顔は二等車の窓にあった。 彼の傲岸な顔は、やがて来た京都行きの省線に乗った銀造の瞼にいつまでも残り、銀造はおれ....
青木の出京」より 著者:菊池寛
だっていいのだが、好き好《この》んでよすにも当らないからな」と、いつものように、傲岸にいい放ちながら、にやりと青木に特有な、皮肉な、人を頭から嘲《あざけ》ってい....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
文芸部の先輩じゃないか。なあに、文壇なんて、案外わけのないところさ」と、天才的で傲岸《ごうがん》な山野が、桑田に相槌を打ったっけ。俺は、こうした会話をきくたびに....
婦系図」より 著者:泉鏡花
らすや否や、大夫人を射て、倒して、硝薬の煙とともに、蝕する日の面を仰ぎつつ、この傲岸なる統領は、自からその脳を貫いた。 抱合って、目を見交わして、姉妹の美人は....
深夜の市長」より 著者:海野十三
じた為、市議動坂三郎氏より痛烈なる指弾を受け、市長金庫の立会開扉を求められたが、傲岸なる市長は之をも拒絶した。併し市長が己が醜跡を蔽い難きを悟り、遂に最後の手段....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
脳裡に与えているむす子の母の像を、自分は裏切り度くないものだと、しきりに念じた。傲岸不屈の逸作も、同じようなことを感じているらしく、珍しく自分の方から、かの女の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
大独奏者、クルチスをも凌駕すると云われているが、それもあろうか演奏中の態度にも、傲岸な気魄と妙に気障な、誇張したところが窺われた。ところが、次のガリバルダ・セレ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
司さん、どうぞ本当の事を云って下さい」 突如として支倉は脅迫の手紙の上に於ける傲岸兇悪の態度に似もやらず、いと細き声を出して哀訴した。彼は遂に庄司氏に正面より....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ってテカテカ光っている。 「愚老、大槻玄卿でござる」こう云って坐って一礼したが、傲岸不遜の人間と見え、床の間を背にして坐ったものである。 「家人をお助けくだされ....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
都オハン市は、炎々たる火災と轟々たる爆発に襲われ大混乱に陥っている。そして、かの傲岸なるスターベア大総督は、少数の幕僚と共に辛うじて一台の飛行機を手に入れ、一路....
剣侠」より 著者:国枝史郎
は自分が贔屓にしている、高萩の猪之松の剣道の師匠――そういう逸見多四郎であった。傲岸な嘉門も慇懃丁寧に、応待しなければならなかった。 牧馬の話から名所旧蹟の話....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
しては全然面識もなかったが、見るところ、若い芸人には似合わない不愛嬌な、いわゆる傲岸不屈といったような人物であるらしかった。師匠の団十郎もそれがために往々|傲慢....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
った。表面は円転滑脱の八方美人らしく見えて、その実椿岳は容易に人に下るを好まない傲岸不屈の利かん坊であった。 作さんの家内太夫入門・東京で初めてのピヤノ弾奏者・....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
り急に道筋を変え、美濃の檜木へ行った。彼は無言で馬翁の看護をした。馬翁は相変らず傲岸不屈な顔をして彼の介抱を受けた。しかし慧鶴が来てからぽつぽつ勢いがつき三月ほ....