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債権
「債権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
債権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の力でそれをどうする事もできないらしい事はおぼろげながらも葉子にもわかっていた。
債権者であるか、商売仲間であるか、とにかくそういう者を避けるために不意に倉地が姿....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
死んでしまった。するとそんな男にでもいろんな借金があって、死んだとなるといろんな
債権者がやって来たのであるが、その男に家を貸していた大家がそんな人間を集めてその....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
、今晩つきあわんかね?」土門にすすめられて、豹一は断り切れなかったのである。 「
債権者の方から逃げる手はないぞ!」一応断ると、土門はそう言った。豹一は土門のよう....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、比志島は日露戦争でまた復活して、戦地から一万円二万円というような金を幾度もその
債権者のもとに送って、帰る頃には借金を全部済ました上にかなりの財産までもつくって....
「島原心中」より 著者:菊池寛
たのです。死体から、指輪を剥ぎ取るということ、それは普通な人情からいえば、どんな
債権債務の関係があるにしたところで人間業ではないような恐ろしいことです。けれども....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
限し、廃止することを利益であると考える。こういう時、銀行はその必要から、又自分が
債権者であるという力から、それ等の同種産業者間に協定金融資本家」の利益に追随して....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
発動」に任せられていた世であった。理屈も糸瓜《へちま》も有ったものでは無かった。
債権無視、貸借関係の棒引、即ち徳政はレーニンなどよりずっと早く施行された。高師直....
「氷河」より 著者:黒島伝治
、それによって恩給の額がきまるのだ。そんな場合、栗本には、彼等が既に国家に対して
債権者となっているように見えてきた。 「何だい! 跛や、手なしや、片輪者にせられ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
証文どおりにいかなくなるときの来ることを望んでいた。この相場はよし当たらないでも
債権者のほうに損はなかった。万一当たればそれこそ債務者にはひどい危険であった。と....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
犯人がどんなに喜ぶか知れませんよ。泥棒や詐欺は正業という結論になったでしょうよ。
債権者は罪人になります」 「私をからかうために、この売買の話をもちかけたのですね....
「十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
ースとしてC子の姿を放送する。それは、一ツには冥土への安着を報せ、二ツには娑婆に
債権者でもあれば今の内に申し出て、何とか解決方法をとらせるためである……」 「一....
「光は影を」より 著者:岸田国士
最後に、庭の松の木を見あげて、悄然と門を出た。 京野等志は、ひとり後に残つた。
債権者に家屋家財を引渡すためにである。彼にとつて、それは、単なる事務にすぎなかつ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
たる中に、仏国公使の答は徳川政府に対しては陸軍の編制その他の事に関し少なからざる
債権あり、新政府にてこれを引受けらるることなれば、毛頭差支なしとてその挨拶甚だ淡....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
昵近のものに訊くと、なるほど、抵当に入ってるのはホントウだが、これを抵当に取った
債権者というは岳父であったそうだ。 これも或る時、ドウいう咄の連続であったか忘....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
であろう。自分の夫たるべき男を他に奪られて、加之に自分が斯んな酷い目に逢うとは、
債権者が債務者から執達吏を差向けられたようなもので、余りに馬鹿馬鹿しい理屈である....