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傷める
「傷める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傷めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
置かねばならぬ、さア何で包んだ、即ち此コロップだろう、コロップは柔かで少しも刃を
傷める患いが無いから夫で之をそッと其剣先へ刺込で衣嚢へ入れて来たのだ余「説き得て....
「家」より 著者:島崎藤村
自分の児でなくて、そんなら誰の児です」 こういう馬鹿らしい問答ほど、お雪の気を
傷めることは無かった。 「一体、お前はどういう積りで俺の家へ嫁いて来た……」 「....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
、作者もぐったりして了った。医者に診て貰うと、決って、此の熱帯の気候の「温帯人を
傷める」性質に就いての説明を聞かされる。どうも信じられない。この一年間、煩わしい....
「沈丁花」より 著者:宮本百合子
って」 他に感情の衝突らしいものもある話であった。 「一人の人間の心をそんなに
傷めるのは、何と云っても先生の不徳だと思います」 或る時、はる子はそのような話....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
った短かい生涯、溯れば私の心の傷む思いもそれからそれへと際限がなかった。 心を
傷めることの少ない病床は、同じ病床でも遙かに倖せであった。およそ肉体の病気に拍車....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
うど》が張ってある。その天鵝絨は物を中に詰めてふくらませてあって、その上には目を
傷めるような強い色の糸で十文字が縫ってある。アラバステル石の時計がある。壁に塗り....
「素朴な庭」より 著者:宮本百合子
―雑種で、ジョウンジアとかスヌクシアとでも云いそうに仰々しい名前の――は私の眼を
傷める。」 〔一九二四年四月〕....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
と二人で耳をそろえてその声をきくと、ある時は泣き叫ぶ子供のように、またある時は心
傷める小娘のようにも聞こえる。僕はこの地方に十七年も来ていたが、いまだかつて海豹....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
は、必ず赤字のものが出来る、そして好成績の支店の利益を蚕食するか、あるいは本店を
傷める結果となって、全体としては結局大したこともないという結論になるのが普通であ....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
する思想的建築物は、一歩その目標をあやまれば裂傷を受ける。今のいずれの思想がその
傷めるものを嗣がないといえよう。 存在論的考察の内面には、その鋭き視点の貫きに....
「少年・春」より 著者:竹久夢二
え母様」 「それは可愛そうだと思いなされたともね」 「じゃ、何故神様はぼくの指を
傷める様になされたの?」 暫く母様は黙っておいでだった。 「まあ坊やは、それは....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
一つでした。私はこの家庭にあっては不幸でした。あまりに物質的なる家庭の空気は私の
傷める心にふさわしくありませんでした。私は私のこの頃の他人の幸福のためにおせっか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
壮士坊主に敬われたです。それはなぜかと言うに彼らは高飛びをして足や手を脱かすとか
傷めるとかいう時分には、すぐに私のところにやって来ます。来ると私がそれ相当の療治....
「笑わない娘」より 著者:小川未明
両親の喜びは、たとえようがなかったのであります。 けれど、ここに一つ両親の心を
傷めることがありました。それは、こんなに美しい娘が、いつも黙って、沈んでいて、う....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
から方針を確立し一挙に迅速に決戦を求める。(第一線決戦主義) 2 最初は先ず敵を
傷める事に努力し機を見て決戦を行なう。(第二線決戦主義) 両者を比較すれば、 ....