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傷口
「傷口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傷口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
れてしまった結果であろうか? それともまた手傷《てきず》を負った兵士が、わざわざ
傷口を開いてまでも、一時の快《かい》を貪《むさぼ》るように、いやが上にも苦しまね....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
蘇芳《すほう》に滲《し》みたようでございます。いえ、血はもう流れては居りません。
傷口も乾《かわ》いて居ったようでございます。おまけにそこには、馬蠅《うまばえ》が....
「或る女」より 著者:有島武郎
ものは釣れて来ますよハヽヽヽヽ」
木部はまたうつろに笑ったが、その笑いの響きが
傷口にでも答えたように急に黙ってしまった。砂に食い込む二人《ふたり》の下駄《げた....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ように大きく目を見張った君の前には平地から突然下方に折れ曲がった崖の縁が、地球の
傷口のように底深い口をあけている。そこに知らず知らず近づいて行きつつあった自分を....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ヤをパンクさせて擬音を利用したり、うまくごまかしていましたが、最後に赤星龍子嬢の
傷口によって一切のインチキは曝露しました。 龍子嬢は車輌の後方の隅に身体をもた....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
を堪えて、じりじりと、商家の軒下へ、虫のように匍っていった。 右手を伸ばして、
傷口のあたりをさぐってみると、幸いに、脚の形はあったが、まるで糊壺の中に足を突込....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
らしかった。見ていると、フワーッと脳貧血が起りそうになった。それほどむごたらしい
傷口だった。 「おお、金さん。可哀想に……」と番人は声を慄わせた。「助かりますか....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
というのだろう」 絞殺に鮮血が噴きでるというのは可笑しかった。なにかこれは別の
傷口がなければならない。一郎は愛弟四郎の屍体に顔を近づけた。そして注意ぶかく、屍....
「恐竜島」より 著者:海野十三
がはいりこんで、やがて激痛《げきつう》をおこすことになる。さらにその後になると、
傷口からばい菌がはいって化膿《かのう》し、全く歩けなくなってしまう、熱帯地方では....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
し、鞄の中から二三の道具を取出すと、それを持って死体のうしろへ廻り、器具を使って
傷口の観察にかかった。それは、この部屋へ入って来たときの彼の忙しそうな口調に似ず....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
片によってうけた傷であったのか。前額の左のところに、その気味のわるい前途を持った
傷口があったのか。そんなことを考えると、その
傷口のことが、俄に心配になった。そこ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
先生に、かいほうされていたことに気がついた。
そこへ、先生と博士が寄って来て、
傷口に、マントを破って、かりの繃帯をする。
「これは新田先生、たいへんめずらしい....
「火薬船」より 著者:海野十三
せないで……。おれをペテンにかけやがった。正直者のおれを……」 巨人ハルクは、
傷口の上を両手でけんめいにおさえて、うらみのことばをノルマンになげつけた。 そ....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
やがて上衣をまくって白い襯衣をひきだし、べりべりと破った。彼はその破った襯衣で、
傷口をおさえて血止めにした。なお彼の眼と手とは動いて、そこにあったズックの布を引....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
った跡からは、盛んに血が飛び出して来る。実験者はサッと蒼くなりました。一方の手で
傷口を抑えたまま、ウンといって其の場に仆れてしまった。一体どうしたというのでしょ....