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傷手
「傷手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傷手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
がしてないんだ。これは確かに船長の失敗なんだ。この点から攻撃すれば、解雇手当や負
傷手当などはもちろん、取りうると思うんだ」藤原はこういった。 「雇い入れがしてな....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
るものから、聞くものから、また触れるものから、過去十余年間の一心の悩みや、生活の
傷手が、一々、抉り出され、また癒されもした。巴里とはまたそういう都でもあった。 ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
にはっきりしたものの云える女にして居た。 「僕も。」 氏の声はまた何という心の
傷手から滲み出した切実な声になったことだろう。 「鎌倉時代に、私はもっと素直な気....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
ば、恋しているさだ子から疑われ、その姉のひろ子から怪まれたということは、償い難き
傷手であつたろうが、すつかり姉妹の間がとけると彼は男らしくすべてを水に流してほん....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の枝は敗残の姿痛ましげに、今日も夕闇の空に輪郭をぼかしている。私は行く春の面影を
傷手を負うたような心地で、偲ばぬわけにはゆかぬのである。私は惜しくて惜しくてなら....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
をしたよ。君の心臓を奪っていった男をひどい目にあわしてしまったんだからね。失恋の
傷手に悶々たる烏啼の奴は、今頃はやるせなさのあまり、君の心臓を串焼きなんかにして....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
」 「そうはいかねえ!」 と云いながら権九郎はヒョロヒョロ立ち上がったが、肩の
傷手に堪えかねたものか、そのままドシンと尻餅をついた。 「そっちがその気ならこっ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
んとうの力をふるい起すのはおそくはない あの日、網膜を灼く閃光につらぬかれた心の
傷手から したたりやまぬ涙をあなたがもつなら いまもその裂目から どくどくと戦争....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
話し下されましたら、どんなに私といたしましては、有難いことでござりましょう。心の
傷手も自然と癒り、ほんとうに新しく生きることが、出来ますようにも存ぜられます。…....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
秋山男爵はこの言葉を聞いて、 「チェッ残念※」 と一言叫んだと思うと、急所の
傷手にはかなく絶命して終った。 文彦は悪人ながらも男爵の死を悼んで杉田とともに....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
「むッ、わりゃア……」
「拙者だよ」
「悪人!」
「くたばれ」
「に、人畜生!」
傷手にも屈せず起き上がって、浪人の腰へむしゃぶりついた。その武左衛門を蹴返すと、....
「決闘」より 著者:神西清
だけでまた元の古巣へ舞い戻ってしまったが、この女に逃げられたことはよほど彼の心の
傷手になったそうだ。ああ、かくて彼は悶々の極学業を放棄して、二年間家に為すことも....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
たすけ出すと、まんまと人目にかからずに亭主のベッドに寝かせつけ、舅のふるった鞭の
傷手を、ゆるゆる静養させることになった。いっぽう舅のボリース・チモフェーイチは、....
「悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
酒、一つは催眠薬です。酒量が増すと同時に薬の量も増します。殊に私はすえ子を失った
傷手を逃れるために、自暴自棄な生活をした結果、夜は殆どただでは眠れません。そうし....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
ランス語、英語、ロシア語などで世界中にむかって訴えた、それが蒋介石にとって大きな
傷手になった。そこで蒋介石がC・C団といわれた陳立夫陳果夫の特務隊をつかって、弾....