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「傷痍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傷痍の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
ために寡婦となったもの、孤児となったもの、不具となったものをして王に向って飢餓と傷痍を訴えさせ、「将軍を市場に晒せ」と絶叫せしめている。) フランツ・ウェルフ....
播州平野」より 著者:宮本百合子
課題をもっている人たち。そういう空気であった。 ひろ子の隣りに白い病衣をつけた傷痍軍人がのり合わせた。左脚が、太腿から切断されていた。下賜の義足が入っていると....
」より 著者:太宰治
呼ぶ者がある。 「や、慶四郎。」と私も答えた。 加藤慶四郎君は白衣である。胸に傷痍軍人の徽章をつけている。もうそれだけで私には万事が察せられた。 「御苦労様だ....
香水紳士」より 著者:大阪圭吉
右手を見てしまった。 その手は、中指が根元からなくて、四本指である。 「ああ、傷痍軍人の方か知ら?」 瞬間、クルミさんはそう思って、みるみる身内が熱くなった....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
る事件が起った。 戦争がタケナワとなって、町の一流の温泉旅館八ヶ所が徴用され、傷痍軍人や治療所関係者の宿舎にあてられた。その中でも一番大きい旅館が紫雲閣である....
土地に還る」より 著者:豊島与志雄
ました。 五体が満足に生れつけばそれでよろしい。もしいけないとすれば、さし当り傷痍兵士などはどういうことになるのでしょう。然し、直接自分の火傷のことになると、....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
一に減少したと仮定すれば(訳註)、この有利な変化は、戦争によって辺境地方に生じた傷痍を癒やすに大いに役立つことであろう。 1) De l'Administr....
黄泉から」より 著者:久生十蘭
。手をひきあう老人夫婦、黒い面紗《ヴォアール》をつけた若い未亡人、松葉杖をついた傷痍軍人、しょんぼりした子供たち……喪服を着たものしずかな人達が、いま花束を置い....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
と思いながら。 二 佐伯氏は南京《ナンキン》の戦争で失明した名誉ある傷痍《しょうい》軍人である。 傷痍軍人といっても、衛戍《えいじゅ》病院にいるの....
四つの都」より 著者:織田作之助
一人の産業戦士風の男が叫びながらトランクをかゝえて、駈け出して来る。 船山という傷痍軍人である。 船山「そのバス待ってくれ!」 駈け出しながら、バスの窓へ向って....